最終話 薔薇は咲いてその八
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「俺も何時かはな」
「そうね、結婚ね」
「結婚してな」
そしてというのだ。
「家庭持つぜ」
「私も。何時かはね」
「いい人に出会えたらか」
「そうしたいわ。ただ」
ここでだ、優花は真剣な幾分か暗いものを入れて龍馬に話した。
「問題はね」
「御前のことをな」
「受け入れてくれる人じゃないと」
「やっぱり無理だよな」
「そこはね」
どうしてもというのだ。
「そのことは」
「そうした人見付けろよ」
「そうするわね」
「それじゃあ御前も俺もな」
「幸せにね」
「なろうな」
今度は笑顔だった、龍馬だけでなく優花も。
「絶対に」
「そうなりましょう、後ね」
「後?」
「明日私姉さんに呼ばれて」
「優子さんにか」
「ここの植物園に行くの」
「植物園にか」
「そう、そこにね」
龍馬にこのことも話した。
「植物園っていうと」
「ああ、確か優子さんが御前に話した場所だったな」
「私が女の子になることを」
「そうした場所だったな」
「だからね」
「御前にとっては特別な場所だな」
「とてもね」
そうだとだ、優花は龍馬にこのことも話した。
「そうよ」
「そこに一緒にって何だろうな」
「それが気になってるの」
「そうだよな。けれどな」
「ええ、姉さんだから」
龍馬と同じくだ、優花が絶対の信頼を置いていてこれまで何かと気にかけて助けてくれた彼女だからだ。
「安心出来るわ」
「そうだな、俺も行っていいかな」
「いいと思うわ。龍馬なら」
「そうか、じゃあ三人でな」
「植物園ね」
「明日はな」
「それで今日はね」
優花はあらためて言った。
「帰ったら」
「ああ、その優子さんと三人でな」
「お祝いのパーティーよ」
「そうだったな」
「そう、ただ三人じゃなくて」
「ああ、四人か」
「お義兄さんも一緒だから」
優子の夫である彼もというのだ。
「だから四人よ」
「健吾さんな。あの人もいい人だな」
「凄くね」
「そうだな。ただな」
「ただ?」
「いや、優子さん苗字は変わったんだったな」
「いえ、それはね」
苗字のこともだ、優花は話した。
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