暁 〜小説投稿サイト〜
Blue Rose
最終話 薔薇は咲いてその四
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「その人の努力次第よ」
「いいお母さんになれるかは」
「私もなっていないけれど」
 このことはだ、優子は少し苦笑いになって述べた。何しろまだ子供を産んでもいないからだ。それで確かに言える筈がなかった。
「それでもね」
「自分の努力次第ね」
「それでいいお母さんになれるのよ」
「よく酷いお母さんもいるけれど」
 父親もだ、残念ながら世間には人の親になるべきでない輩も多くいる。子供を虐待するなぞ言語道断である。
「そうしたお母さんにならない為には」
「努力することよ」
「いいお母さんになる為に」
「具体的にやることは凄く多いわ」
 一言でいい母親になると言ってもだ、母親の為すべきことは実に多い。そして難しいものばかりである。これは父親についても同じだ。
「けれどそういうことをしていって」
「いいお母さんになるべきね」
「駄目な母親になったら」
 若しだ、そうなってはというのだ。
「誰にとってもよくないわ」
「子供によね」
「子供にも自分自身にもよ」
「自分自身にもなの」
「そうよ。いい母親になれたら」
 優子はまだ経験がない、しかし自分が見てきたこと聞いてきたことから話した。
「その人にとってもいいことよ」
「自分自身の人格を高めたから」
「そうよ。ただ人格の高い人は」
 そうした人はというと。
「最初からそうは思わないわ」
「自分をいい母親とか」
「自分のお子さんやお孫さんに自分を尊敬しろと言いながら迷惑ばかりかけていた人を知ってるわ」
 優子はそうした母親のことも話した。
「手抜きばかりでしている時は文句ばかり言って家事をして遊んでばかりでいつもヒステリー起こして」
「何か凄い人ね」
「その人は死んでからもお子さんやお孫さんに嫌われてるわ」
「死んでからもなの」
「お孫さんが家の遺影でその人にだけ挨拶しないで見ようともしない位にね」
「それはまた徹底して嫌われてるわね」
「そうなったら不幸でしょ」
 その母親にとってもというのだ。
「本当に」
「そこまで忌み嫌われたら」
「死んでからもね」
「確かに不幸ね」
「そうでしょ、本当に」
「そこまで嫌われたくないわ」
 優花にとってもとだ、姉に話した。
「絶対に」
「そうでしょ、だからね」
「いい母親になれたらその人にも幸せなのね」
「そのお孫さんお祖母さんが死んで十年でも気触れ婆とか言ったり生きていたら老人ホームじゃなくて精神病院に送ってたって言ってたわ」
「それあんまりじゃ」
「その人は確かに極端だけれど」
 何でも老人ホームではなく精神病院に送る方法もあるらしい、精神病患者ということにしてそちらに送って隔離するのだ。
「嫌われるのは嫌でしょ」
「私もね」
「だからね」
 それでというのだ。
「自
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ