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TATOO
第一章
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                       TATOO
 町、メガロポリスの町は。
 今日も嫌になるまで栄えていて誰もが行き来している。けれど。
 誰もが機械だった。人間じゃなくて機械だった。私はその中を歩いて。
 そのうえで。こう女友達に漏らした。
「何かね」
「何かって?」
「どうかしたの?」
「下らないわね」
 醒めた目で私はこう言った。
「この町はね」
「あれっ、そんなにこの町が面白くないの」
「今日も遊んだじゃない、それでもなの」
「面白くないの」
「だからそう言うのよね」
「そうよ。もうどんな遊びをしてもね」
 それでもだと。私は声も醒まさせて言った。
「面白くなくなったわ」
「やれやれ。ブルーってやつ?」
「暗い気分になってるのね」
「つまりは」
「ずっと前からね」
 笑わなくなって何年になるのか。そんなことも考えた。
「そうよ」
「やれやれね。暗くなることないのに」
「そうなるなんて因果よ」
「何でそんなに急に醒めたのよ」
「ふと思ったのよ」 
 そのせいだとだ。私は答えた。
「この町にいてももうね」
「もう?」
「もうっていうと?」
「何も感じなくなったのよ」
 不感症になったつもりはないけれど。それでもだった。
「遊びも仕事もね」
「やれやれね。じゃあ何するの?」
「まさか仕事辞めるとか?」
「そんなこと言うんじゃないでしょうね」
「どうかしら」
 即答できなかった。それも確かに。
 だから私は友人達にだ。こう答えたのである。
「もうね。ここにこれ以上いてもね」
「面白くないから」
「それでなの」
「何処か他の町に行くのも悪くないわ」
 こうも言った。自分から。
「それなら何処に行くかだけれど」
「まあそんなに言うのならね」
「じゃあ転職なり何なりしてね」
「それで行ったらどう?」
「別の場所にね」
「どうしたものかしらね」
 気持ちがあまりに空虚なので。私は。
 言葉にも空虚を入れて。そして言った。
「本当に」
「あんたこの町で生まれ育ったじゃない」
「そうよ」
 その通りだと。私は友達の一人に答えた。
「それはね。ずっとこの町で生まれてきたわ」
「それでもなの」
「最近。面白くないから」
 町は変わらない。それ自体は。
 けれど町にいる人間、特に男達がそう見えてだった。私は言った。
「ありきたりな人はいいのよ。機械みたいなね」
「アンドロイドみたいなね」
「そういう人はなの」
「もっと刺激的で。そうして」
 私は自分の目が熱くなっていることを感じた。羨望の目になっている
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