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も恋人も、兄弟も親戚も、皆等しく命を奪われこの世を去った。
ホロコースト、せっかく救われた人も、西側で固形物を胃に詰め込めるだけ詰め込むと、胃痙攣で死んだ。本当の飢餓を知っているロシア人は、ポーランドなどで救い出した終末収容所で、スープやシチューから与え、決して暴飲暴食させ無かったので、死者が少なかった。
彼が叫んだ「人民の食料である穀物を食い荒らす、スズメは人民の敵だ!」軍隊と農民一同でスズメを狩って食べた。害虫を食べて生きていたスズメが、害虫を食べなくなって草も木も枯れ果てて2千万人死んだ。今までで一番沢山死んだ。
ウクライナ人は不要、そう考えた彼はシベリアに送り込んだり、食料の配給を止めた、1400万人死んだ。
モンゴルでは共産主義になって3分の1が粛清や政治犯として亡くなり、もう3分の1は強制収容所で死んで、戦前の3分の1だけが生き残った。
ユーゴ、ボスニア、ルワンダ、スーダン。ああ、彼らはこの汚れた世界から救われ、清潔な世界へと旅立ったのだ、では私もその手伝いをしよう、そうだ、そうしよう!
「決めた、人類を滅ぼそうっ」
爽やかな気分で目覚めたカナメは、満面の笑顔でそう言った。
生きていたくない人類には、まずは相互確証破壊で核戦争。人類全滅には少々足りないが、旧型のICBMはどちらも同盟国に飛ぶ、敵じゃない、もちろん味方に。
それから僻地やシェルターにいる奴をどうやって全滅させるか? 核の冬でも死なない、赤道で涼しく過ごす奴もいるだろう。
疫病でも死なない、イナゴの大群でも死なない、ツァーリボンバでも出させて、本気で爆発させて地球の軌道でも変えてやろうか? 隕石か月でも落として粉々にしてやろうか?
「まず魚類が上陸したのが間違ってるな? あんな獰猛な肉食魚、何かおとなしいの無いか? まあここは虫だろうな」
生物が魚類から進化し、川から陸に上陸して、爬虫類、哺乳類、霊長類になったの自体が間違っている。
虫をベースにした、単独では感情も持たない機械、群体として初めて成立するような生き物、それが「この星を継ぐもの」としてふさわしいと考え至ったカナメは、魚類まで絶滅させる良い方法は無いかと考えた。
「海から獰猛な生き物を進化させ、この星を支配させると同じになる。まあ酸素濃度でも減らすか、ベテルギウスでも爆発させて、ガンマ線バーストこっちに向けるかな?」
新しい世界を作るのに、どんな世界が最適か? そう考えると人類ではダメで、別の生命体が必要になる。
何しろ自分は新しい世界の神なのだから、何でも思い通りに出来る。破滅でも破壊でも、でも悲劇はダメ。
午後に会ったレナードにこの考えを伝えると、最初はキョトンとしていたが、大爆笑してくれた。
この世にこんな面白い話、素晴らしくて楽しい話があるのかと
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