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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第247話 森の家に皆と
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2つの太陽、その目も眩む圧倒的な輝きが部屋の中を照らす。
だが、その光にも決して負けない2つの光が巨人の身体を彩っていた。
交差する十字の閃光、円形の閃光。それはあまりの速度と威力故にだったのろうか、太陽の光を瞬く間に消し去り、飲み込んだ。
いや――違う。太陽の光と一体化したのだ。
2つの太陽と2人の妖精は1つとなり 巨人を、邪を払った。
軈て光は役目を終えたかの様にその輝きを消失させていき 遅れてくる巨人の絶叫と空中で停止しているかの様な2人。時間そのものが停止した様に感じられた。
そして それはメンバー達にも言える事だ。不自然な体勢のまま全身を凍らせていたから。
時間が動き出した、とはっきりと判ったのは
声
(
・
)
が聞こえてきたから。
『……見事』
たったそれだけの呟き。
誰のモノであるかもはっきりと判った。まずは傍にいたレイナがその声の主の方をちらりと視線だけをくばせて、巨人に特攻をした2人も優雅に宙に着地をした。
そして其々の呼吸音さえも響く静寂な空間に、最も大きな音が木霊する。
それは、黒光する巨人の強靭な肌に無数の亀裂が発生した音だ。如何なる攻撃にも耐えて耐えて、全ての攻撃を跳ね返してきたあの凶悪強靭な身体が、その内から白い光を放ちながら、立ち木が裂けるような乾いた大きな音を響かせて、2つの首の接合部から、巨人の身体は真っ二つに分断された。
そして その巨体は無数のガラス片へと姿を変えて、四方八方へと四散させたのだ。
それと同時に、この層の主を失った部屋は その姿を変えた。妖しく照らしていた青いかがり火が一瞬だけ激しく揺れて、その後に通常の炎に、橙色の炎に変わって暖かい光で部屋満たされたのだ。
何度か経験をした事のあるアスナやレイナだが、それでもこの時程 安堵感が包まれた事は無いだろう。絶望的な戦力差を直に感じて、ユウキがやられてしまいそうになり、パーティーが崩壊しかけた。
それでも、乗り越える事が出来たのだ。……戦いに勝った勝者だけが味わう事が出来る達成感は本当にどう表現したらいいか判らない。
「は、はは……や、やった……」
「う、うんっ……。ほ、ほんとに……」
漸く言葉を発する事が出来たのはアスナとレイナ。掠れた笑い声を漏らしつつ、思わずぺたりと座り込んでしまった。
「お疲れさま。2人とも」
そんなアスナとレイナに声をかけるのは、この戦いにおいての救世主だって言っていい人物。『見事』と巨人に最後の一撃を撃ち放った2人を称賛した声の主。
「あはは……、うんっ リューキくんも、ね?」
「本当にたすかったよ……」
にこっ、と笑顔を返すだけにとどまる。
これ程までに緊張感の連続には、
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