第三章
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「もうな」
「しかしね、あたしは」
「諦めずにだな」
「探すよ、一人になっても」
「そうするか」
「ああ、ここはね」
こう話してだ、そのうえで。
いのだけは時間があればつうを探そうと決意した、だが夜遅くなりこの日は彼女も疲れきってだった。寝ることにした。
布団を敷いて寝るが床の中でだ、いのは隣に寝ている伍平に言った。
「明日お城の町から商人さんが来るね」
「ああ、薬を売りにな」
「じゃあ薬買おうかい」
「そうしような」
伍平も言う、そしてだった。
二人は疲れきったこともあり泥の様に眠った、その次の日茂吉は二人のところに来て苦い顔でこう言った。
「今日見付からなかったら」
「もうですか」
「神隠しに遭ったってことでな」
彼も子供達の話を聞いてこの言葉を出した。
「諦めるしかないかもな」
「そうですか」
「ああ、もうな」
伍平といのに申し訳なさそうに言う。
「仕方ないだろう」
「あたしは一人でも探しますから」
いのが言った。
「そうしますから」
「あんたはかい」
「はい」
「そうか、親だからな」
それ故の気持ちをだ、茂吉は察して頷いた。
「そうなるな」
「ですから」
「わかった、それじゃあな」
「はい、探していきます」
「そうしてくれ」
いのの背中を押す様にしてだ、茂吉は励ましもした。だが彼は内心もう駄目かと思っていた。伍平もいのも野良仕事の合間に暇があればあちこちを探していたが。
やはりつうは見付からない、そしてだった。
昼になった、すると村に商人、村から村町から町を歩いて薬を売っている彼が来たが何と一緒にだった。
つうがいた、最初に彼を迎えた茂吉は仰天して商人の勘兵衛に問うた。
「おい、その娘は」
「ああ、伍平さんのところのですね」
「つうじゃないか」
「はい、実は」
勘兵衛はその若さが目立つはきはきとした顔で茂吉に話した。
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