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苦渋
第一章
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「しかも食べるものにしても」 
 何故こんな達が来たかわかっている。そのうえでの言葉だ。
「もうぎりぎりまで切り詰めていますので」
「何の心配もいりません」
「ですからどうかここは」
「お目こぼしをしてもらえますか」
「いえ、もう決まったことです」
 必死にだ。工藤は表情を屑さじに言い返した。
「ですから」
「しかしそれは」
「頼みますから」
「達は伝えました」 
 これしかなかった。工藤は一方的に話を打ち切った。そうしてだ。
 軍の司令部に戻った。そして一部始終を中佐に報告した。話を聞いた中佐は頷いてからこう答えたのだった。
「わかった」
「はい」
「よく伝えてくれた。後はだ」
「私がですね」
「立ち合いを頼む。本当に動物達を処分するかどうかな」
「わかりました。それでは」
「それも頼む。殺す動物は」 
 それも既にリストアップしていた。それは。
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