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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第87話:家族の問題。家族で考える。
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明もリュカさんは言うんだよね。怖いわぁ〜……
そんな脅しも相俟って、俺のオフィスは頗る空気が重い。
罪には問われなかったが半ばクーデター紛いの事をやらかした俺に、スタッフ等の視線が痛い。
唯一睨まないで居てくれてるのはユニさんだけで、残りは皆さん睨みまくり。
皆それなりにグランバニアを愛しており、現国王のリュカさんを尊敬してる方々なので、今回の件は腹立たしい事この上ないのでしょう。
しかも俺への罰則は“永遠に王位継承権の剥奪”って事で、元々王位継承権に興味ない俺には何て事のない罰なのですからね。
この罰則、どちらかというとマリーに対しての意味合いが大きく、俺の子供や孫等が王位継承権を欲しない限り、痛くも痒くもない……むしろマリーから取り上げる事が出来て計画通りだと思ってるくらいなのですよね。
だからだろうけど……本当に視線が痛い。
視線で人を殺せるのなら、俺は惨殺されてるレベルで痛い。
でもこれは俺が甘んじて受けなければならないのだろう。
「ウルフ閣下、コーヒーを取り替えてきます……あっ!」(ガシャン!)
何を思ってか、俺の机に置いてあった取り替える必要のないコーヒーを、唯一睨んでないユニさんが「取り替える」と言って持ち上げたが、手が滑って俺の服にぶちまけてきた。
「熱!!」
「申し訳ございません。直ぐに服を着替えないとなりませんね」
睨んではなかったけど、ユニさん流の仕返しなのかと疑ったが、熱がってる俺を立ち上がらせると背中を押して着替えてくるよう執務室から追い出された。
そして廊下へ追い出されて気付く。
スタッフ等が俺への罵詈雑言を俺の居ない所で言い合う為に、ユニさんが気を利かせて追い出したのだと気付いた。
つまり、今回の件の俺に対する不満を募らせてるスタッフは、陰口と言う名のストレス発散でスッキリさせ、明日から新たな気持ちで職務に精励させようってユニさんは考えたみたい。熱いコーヒーを浴びせ、自らもストレス発散させようって考えも有ったと思うけどね。
仕方ない……今日は執務室に戻るのは止めよう。
実際にコーヒーをかけられて着替えなければならない事に変わりないのだし。
「はぁ……」
「ナン?」
深く溜息を吐くと足下にはソロが来ていた。
最近は隙を見て俺の執務室へ入る込んでたので、今日も同じ様に入る込む予定だったのだろう。だけど俺は、今日は執務室に入らない……入れないのだよ。
「一緒に彷徨くかい?」
「ナ〜ン」
俺の足に身体を擦り付けながらの返事だから、拒絶ではないだろう。
取り敢えず一旦自室に戻って着替えて……そうだな、洗濯室に汚れた服を持って行こう。
多分、今頃はジュディーが洗濯の真っ最中だろうから、この服も洗って貰おう。
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