第四章
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「けれど殺す夢を時々見るとか」
「何かない方がおかしい」
「そうとしか思えないから」
「だからっていうのね」
「そうよ、というかあんた最近身体動かしたりとかは」
「ああ、スポーツね」
「お仕事と家の往復よね」
最近の珠莉はというのだ。
「お部屋の中じゃレンタルしたDVD観るかゲームばかりで」
「家事はしててもね」
円と交代でだ、料理も掃除もしっかりとしている。
「それでもね」
「そうした生活だとね」
「ストレスもなの」
「溜まってるんじゃないの?」
「若しかしたらね」
「ううん、じゃあ」
「スポーツでもしてみたら?あんた学生時代テニス部だったんでしょ」
円は珠莉とは仕事場で出会いそこから親しくなった、お互い大学までは別の場所に住んでいて生きていたのだ。
「だったらね」
「テニスでも」
「やってみたら?」
「そうしたらなの」
「ストレスがあっても」
本人が気付かないうちにだ。
「それで発散出来るんじゃないかしら」
「そういうものなの」
「そう、やってみたら?」
「それで何とかなるかしら」
「そうかも、というかあんたの夢での殺し方尋常じゃないわね」
「殺す相手もね」
どちらもとだ、珠莉も言う。ジャムを塗ったトーストを食べつつ。
「あんたとかお父さんお母さんとか」
「明らかに普通じゃないわね」
「相当根が深いのかしら」
「スポーツで解消出来ないかも」
「じゃあどうしようかしら」
「そこが問題ね」
どうにもとだ、円は野菜ジュースを飲みつつ応えた。
「やっぱり」
「そうよね、お医者さんに診てもらおうかしら」
「そうする?」
こんなことを話した、そして実際にだった。
珠莉はテニスをはじめた、その分だけ部屋ではDVDやゲームをする時間は減った。珠莉は他にもだった。
習いごともテニスをやるならと思いはじめた、その習いごとは。
「書道もなの」
「子供の時に教室に通ってたから」
だからだというのだ。
「もう一度ね」
「やってみるの」
「何かテニス再開したらね」
それでというのだ。
「習いごともしたくなって」
「身体を動かしたら」
「それでね」
「そうなの、それで再開してるの」
「成程ね」
「あんたはジムに通ってるわね」
「泳いでるわ」
円は健康の為にそうしているのだ、実はスタイルにも自信がある。
「ほぼ毎日ね」
「そうよね」
「それであんたは習いごともなの」
「やっていくわ」
「そうなのね」
「まあ身体も頭も動かして」
「ストレス解消ね」
「それに励むわ」
こう話してだ、実際にだった。
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