第三章 X《クロス》
忠犬
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!!」
その塊が爆発し、砕けたバリアがスバルを襲う。
塊はコックローチアンデットの力を凝縮させた爆弾だ。
それを周囲にばらまき、一気に爆破させるコックローチアンデット。
その爆発にWやエリオは下がり、コックローチアンデットの姿は爆煙に消えて見えなくなってしまう。
そしてヒュボッ、という音を立てて、その煙の中から長岡達のバリアに向かって突撃していった。
「狙いはそっちよぉ!!」
「しまった!!」
ゴォォォォォォン――――――――――――――――――!!!
コックローチアンデットの拳とバリアがぶつかり、とんでもない衝撃を振りまいて長岡と凩を守っていたバリアが砕けた。
しかし、衝撃は中にいる長岡達には一切当たらず、逆にコックローチアンデットの身体を後方に吹き飛ばした。
とはいえ、それだけだ。
そのバリアの性能もすごいが、それを耐えて着地、間髪入れることなく再び長岡へと走り出すあたりこいつも只者ではない。
そう、コックローチアンデットは全く怯むことなどなく、再度長岡へと突撃していった。
「ガァウ!!!」
「凩!?」
そしてその迫りくる脅威に、野生が雄叫びを上げて突貫していった。
迫るコックローチアンデットの腕。その腕には先ほどの黒い塊が握られている。
その腕に向かって、凩が最後の力を振り絞るかのようにして長岡の腕から飛び出し、果敢にも向っていってしまったのだ。
しかし、凩はアンデットと言っても完璧にただの柴犬とそう変わらない。
結果は当然・・・・・・・
ガッ
「ギャォオオオオオオウ!!!」
ドォン!!!
コックローチアンデットの腕のすぐ前で、その塊が爆発して凩が炎に包まれる。
その煙に凩の姿が消え、その場の全員が唖然としてしまう。
最後まで主人のために立ち向かい、そして果てて言ったその忠犬に・・・・・・
「ハァん・・・・ま、アンデットだから死んでないだろ?まったく、無駄な悲しみだな」
そう「ハン」と笑いながらコックローチアンデットが再び走り出す。
長岡に防ぐすべはない。
コックローチアンデットに先を走られては、スバルたちにも止めるすべはない。
「終わりッ!!」
コックローチアンデットの腕が突き出され
「それはそちらのことだろう」
背後からの声と、その持ち主によって、その拳が掴まれて止まっていた。
コックローチアンデットの背中に立つそいつが、振りかぶった右腕内肘を掴んで止めていた。
「ゼァッ!!」
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