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世界をめぐる、銀白の翼
第三章 X《クロス》
戦闘
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ビッ!!という音とともにカードはコマ切れにされ、直後彼ら三人は地面に叩きつけられる結果となった。



「がっ」

「グワァ!」

「ウォッ!?」



「さっきのはやばかったぞ。炎に重圧とか・・・・オレを本気で叩き潰す気かよ」



倒れる三人の前に、いきなり現れるコックローチアンデット。

速い。
まったく攻撃の動作が見えない。



「もう出し惜しみなどせんぞ。最初からこのスピードでいかせてもらう」

「遠慮・・・したいね」

「すぐキレるあたり・・・っと、単細胞の害虫野郎ってわかるよなぁ」

『出来れば僕もこいつのことは検索したくない』



そういって立ち上がる三人。しかし、この状況では戦闘に持っていくことすら困難かもしれない。



「ハクオロさんはほかの何人かを連れてきてください」

「なに?」

「この中でほかの集団戦闘に入って戦力になるのは君。だからその代わり、あっちから誰かを呼んできてもらいたいんだ」

「・・・・・わかった」



メンバーの入れ替え。


これ自体は最初から想定していたことだ。

集団戦闘をしているのは中級アンデットばかり。

そちらの戦闘は相手がそれほど強くないため、それなりに楽な現場だ。
ただ数があまりにも多いので、どれだけ戦えばいいのかわからないというのが不安なところだが。


コックローチアンデットの相手をずっとできるような人間などそうはいない。

翼人相手でも手こずるのだ。
メンバー三人そろったところで勝つのは至難の業。

だったらローテ―ションしてこいつと戦い、翼人が来るまでの時間を稼げばいい。


幸いにして、瞬風の中には結構な医療班がいる。
もしダメージを負いすぎたら、そっちで回復すればいい。


だからこうしてメンバーが入れ替わるのは別にかまわない。
最初からそのつもりだったから。


想定外だったのは



(こちらの消耗が早すぎる・・・・強い・・・!!!)




コックローチアンデットの異常な強さだった。
この状況で、こいつはまだまだ速く、そして攻撃は重くなる。


この状況で、翼人が来るまでの時間稼ぎをするなどということは・・・・・



「悪夢にしてはきつすぎるぞ・・・・・!!!」



皆が戦う現場に向かって、ハクオロが呟く。


この戦い、戦力差はこちらの方が最悪低い。
せめて上級アンデットと翼人の数さえ合えば・・・・・



ふと、一人の姿が頭に浮かぶが、すぐに頭を振ってそれを掻き消す。

ないものねだりをしている場合じゃない。
今のこの状況を、確実に乗りきらねばなら
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