第三章 X《クロス》
覚悟
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る。
そして、残ったのは・・・・
「圭一たちは・・・・」
「解ってるさ」
「・・・・ごめんな」
悟った、というよりも、最初からこうなることがわかったような顔をして、圭一が一刀に言った。
実をいうと、この一日にも満たない訓練などには意味はないのだ。
彼らが納得するための時間。ただそれだけ。
連れて行くメンバーは最初からすでに決まっており、そこに彼らは載っていなかった。
「わかってたさ。俺らじゃどうにもならない。俺たちの力は、そんなに強くない」
「うん・・・アンデットに勝てるなんて、そこまで強い力、私たちにはないもん」
「ですので、皆さんに任せますわ。ぜーったいに梨花と羽入さんを助けてくるんですのよ!!」
圭一、レナ、沙都子と順番に一刀に声をかけ、頼んだと言って肩を叩いていく。
重い
無論、彼も元の世界では一国の主だった。
人の命の重さは嫌というほど知っているし、実際に戦では他国、自国共に民を失っていた。
戦場にも立ち、そこから目を逸らさなかった。
しかし、それは失う、ということを自覚し、肝に銘じ、覚悟するということ。
こちらの場合は、失わず、必ず全員で戻る。誰も失わない。もちろん最初からずっとその思いは変わっていない。
だが、今はその気持ちを心に秘めながらも、さらにほかの者のその願いも背負う。
自分の覚悟だけではないのだ。
他の誰かの覚悟をも背負うということ。
それは一体どれだけの重量があるのだろうか。
そして、自分の知る限り最も多くの願いを背負い、戦い続けてきた「彼」はこれだけの重圧を背負っていたのか、と。
「・・・・ったいに」
「え?」
「絶対に・・・助けて見せるさ」
今ならわかる。
「彼」がなぜああも「世界最強」と言っていたのか。
つまりは、そういっていなければ自信が保てないからだ。
焚き付けろ。
魂を燃え上がらせろ。
身体を動かせ。
信じ続けろ。
そしてそれを胸にしながら達成した時、彼は「彼」に追い付けるのだ。
「なんたって、俺は世界最優だからな」
だから言う。
最強はあいつのモノ。だったらオレは最優だ。
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夜が明ける。
瞬風のドックへと向かう、廊下の途中にある準備室。
そこで
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