暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic29希望と絶望を併せ持つ者〜The Future Threat〜
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准尉が頭を抱えたままドサッと倒れ伏した。彼女の額と首に環状テンプレートが展開され、ガシャン!と砕け散った。それが何を示すのかが判らないため、「どういうことだ?」とアギトを問い質す。
「判んねぇ! メガーヌ、しっかりしろ! メガーヌ!」
ペチペチと准尉の頬を叩くアギトに、私は「アギト。力を貸してくれ」と伝える。私に「は?」と振り返る奴に、「ユニゾンだ」と提案する。回りくどく正規ルートを走っていたのでは時間が掛かり過ぎる。ならば大火力魔法による壁抜きをして直線ルートを作った方が手っ取り早い。ということを伝えてみると・・・
「お前、雑すぎねぇ? 確かにそりゃルールー達と合流すんの早くなるけどさ」
呆れ顔になった。なのはやルシルもよくやる手段なのだが・・・。とにかく「どうする? 悪い提案ではないだろう?」と確認し直す。
「・・・しゃあねぇな! やってやんよ! メガーヌを早いとこ医者に診せてぇし! あ、1つ言っておくけどよ、この1回きりだかんな!」
早々にアギトに記憶を戻してやりたいな。しかしベルカ時代の頃の記憶を取り戻した時、現在の記憶はどうなるのだろうか。それだけが少々不安だが・・・。
「しょうもねぇ真似だけはすんなよな、管理局!」
「お前こそしっかりと付いて来い」
「「ユニゾン・イン!」」
アギトと数百年ぶりにユニゾンを果たす。胸の内にアギトの存在感を感じつつ“レヴァンティン”のカートリッジを装填し直していると、アギトが『・・・あれ?』と漏らした。
「どうした?」
『・・・シグ・・・ナム・・・』
震えた声で私の名前を口にしたアギト。そこには先程までの親しみの欠片も無い声色とは違い、明らかに私を知っている風な声色だった。
「アギト・・・? まさか、お前・・・!」
『シグナムだ・・・! あたしの本当のロード・・・!』
アギトが泣き出した。私はすぐにユニゾンを解除させ、目の前に出現したアギトを手の平に乗せる。大粒の涙をポロポロ流すアギトに「長らく待たせてすまなかったな」と謝った。アイリとは違い、洗脳までされて戦わされていた。しかも数百年と。もしその間の記憶もあるのだとしたら、どれだけの悪夢だろうか。
「ううん! こうしてまた逢えただけであたしは・・・!」
私の胸に飛び込んで来たアギトを抱き止めて「また共に戦ってくれるか?」と訊ねると、アギトは両手で涙を拭い去った。
「もちろんっ! あたしは烈火の剣精アギト・セインテスト! マイスターはオーディン、ロードはシグナム、お前だ!」
当時と同様にニッと笑みを浮かべたアギトが右手を差し出して来てくれた。私は「ああ! では行くぞ!」その手を取り、「ユニゾン・イン!」を再度果たす。
「さて。准尉はどう
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