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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic29希望と絶望を併せ持つ者〜The Future Threat〜
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開けられた壁の奥から複数の足音が聞こえてきた。

「・・・シグナム副隊長!」

数人の武装隊員を伴って姿を見せたのは、背中から炎の羽を4枚と展開したシグナム副隊長だった。

†††Sideキャロ⇒シグナム†††

アギトとユニゾンしたメガーヌ准尉と火炎砲撃の撃ち合いをした私は、「ごほっごほっ」なんとか勝つことが出来た。ルシルのカートリッジが無ければもう少し時間も魔力も消費していただろうな。私の火炎砲や押し返された自身の火炎砲の直撃を受けたメガーヌ准尉は、仰向けで床に倒れ伏していた。

「・・・アギト」

メガーヌ准尉の防護服が解除されたと同時、アギトとのユニゾンも解除されたらしく、准尉の胸からアギトが出てきた。准尉は「あいたた・・・」と呻きながらもゆっくりと上半身を起こし始めた。

「頭がクラクラする・・・。メガーヌ、大丈夫?」

「ええ、なんとか。アギトもブラックアウトダメージを起こさなくて良かった」

アギトも頭を押さえながらふわりと宙に浮き、互いに体調を気遣いあった。私としても2人が無事で良かったと安堵する。思念通話も通信も妨害されている今、2人に何かあった際に助けを呼べんからな。

「メガーヌ・アルピーノ准尉、そして融合騎アギト。武装を解除し、投降して頂けると助かります」

「この・・・!」

アギトがかぶりを振って、周囲に火炎弾を4発と展開した。しかし准尉の「アギト、やめなさい」という制止の言葉に「むぅ・・・」渋々だが従い、火炎弾を霧散させた。そして准尉の肩に着地して、「これからどうすんだよ」と訊ねた。

「ユニゾン状態で負けちゃったんだし。もう魔力もすっからかんだし。これ以上の抵抗は無意味よ。降参しましょう」

「・・・メガーヌがそう言うならしゃあなし、か。おい、そこの騎士。今すぐ、優秀な局の技術者と医者を用意しろ。あとルールーとリヴィーも確保しとけよ。メガーヌはな、くそガンマの調整を定期的に受けないとヤバいんだよ」

アギトが嫌悪感を剥き出しにガンマという“スキュラ”の名を口にした。即答してやりたいが、外界との交信手段が封じられているとなると、艦外へと脱出しなければならない。しかしエリオとキャロの2人とも合流をしなければ。副隊長としての最低限の務めだ。

「局員さん。あなたの部下の子供たちは今、私の娘と一緒に居るはず。所在地はココよ」

准尉が展開したモニターに“アンドレアルフス”の詳細なマップが表示され、エリオ達を示すであろうポイントが4つと点滅しているエリアが判明した。私たちが居るのは左翼の中央付近だが、あの子たちは右翼の中央付近。直線距離にして3km程だ。

「私に行われた調整は今朝だったから、1週間は調整を受けなくても平――っ?」

「准尉!?」「メガーヌ!?」
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