第66話<アウトレンジ>
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すると舞鶴が分析を始める。
「伊168は、港湾の外……射程ぎりぎりの外洋から酸素魚雷を一気に発射。その爆破の混乱に乗じて港湾内へと進入。決して水深は決して深く無い美保鎮守府の港湾内で敵の船底ギリギリかい潜って通過というところか」
今度は神戸。
「おまけに夜ですから、ちょっとミスすれば敵と接触か、爆破の水圧に巻き込まれる危険性は十分にあります。それをすべてクリヤーして最後に埠頭の手前にいる北上のところまで一気に到達してきたようです」
「なんとも……器用なやつ」
私は呆れるやら、感心するやら。
伊168は続けた。
「あと、この港湾の入り口近くでバタバタしてた、ちっこい潜水艦と補助している軽巡がいたけど。忙しいから無視してきたからね」
「それって……まるゆか? あんなのが今夜の哨戒班だったのか?」
私は大淀さんを振り返った。
「えっと……」
彼女は困惑している。
「軽巡も居たって……そりゃ単なる仲間はずれじゃないか?」
私が言うと大淀さんは弁解する。
「はぁ……済みません。人員のチェックはしたはずですがパーティとか混乱があって……」
私は呆れた。
「いや、君を責めているわけじゃないけど……これ陸軍に知れたら文句言われそうだな」
私は混乱する湾内を見ながら言う。
「もし今夜、その軽巡の随走艦が居なかったら今ごろ暗い夜の海に轟沈だぞ!」
すると埠頭まで近寄った伊168が続けた。
「あとさぁ、ちっこいのは当てにならないけど。もう一隻、入口に黒塗りで化けたのが居たけど?」
「なに?」
それは聞いてない。
すると、燃えさかる港湾内を縫うようにして、何かが高速でやってきた。新手の敵か?
だが寛代を振り返ると彼女は平然としている。つまり……友軍らしい。よく見ると全身黒く塗った軽巡か? ……どんどん近づく。
「おい、何の真似だ?」
私は叫んだ。
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