第三章
[8]前話
「この大阪城は江戸時代からのだけれどね」
「大坂の陣で焼けてますからね」
このことは歴史にある。
「それであの天守閣も」
「鉄筋で昭和からのだよ」
三代目だ、初代がその大坂の陣で焼けて二代目は江戸時代に落雷で焼け落ちてしまっている。
「あの場所も江戸時代の天守閣の場所で」
「そうですよね」
「そこは違うにしても」
「太閤さんが桜が好きで」
「この大阪城もだよ」
江戸時代までは大坂城といったらしいけれど。
「この通りだよ」
「これだけの桜があるんですね」
「まさにだね」
「はい、千本桜ですね」
大阪城の桜達もだ。
「それだけありますね」
「そうだね」
「はい、本当に」
僕は桜達を見つつ答えた。
「凄いものですね」
「そうだね、これがね」
「まさにですね」
「大阪の千本桜だよ」
僕に満面の笑顔で話してくれた。
「そしてこれからね」
「ここで、ですね」
「お花見だよ、さてカラオケの用意もして」
実は課長はカラオケ好きだ、得意な曲は意外にもジャニーズ系だ。僕は特撮の曲が得意だからかち合わない。
「そしてね」
「お酒に美味しいものを食べて」
「楽しもう」
こう言って実際にだった、僕はこの週は会社の人達と一緒に楽しんで次の週妻を連れて行った。すると。
妻も、大阪城を囲んで天守閣をバックに咲き誇る桜達を見て頷いてから言った。
「ここの桜もね」
「いいね」
「ええ、素敵よ」
「ここも千本桜だね」
「姫路の桜にもね」
妻が大好きなそこともだった。
「負けていないわね」
「そうだね」
「ええ、そういえばね」
「そういえば」
「課長さん大阪城は太閤さんだって仰ってたのよね」
「そうだよ」
「姫路城もじゃない」
こちらのお城もというのだ。
「それは」
「あっ、そうだね」
「そうでしょ、姫路城も太閤さんが築いてね」
そしてなのだ、あのお城も。
「江戸時代にああなったのよ」
「そうだったね」
「どっちも太閤さん所縁の場所で」
そしてというのだ。
「桜が大好きな太閤さんものもね」
「そうだね、じゃあどっちがどっちかとか」
「言ったらね」
妻は笑って僕に言った。
「太閤さんが気を悪くするわ」
「そうだよね」
「どちらの千本桜もね」
「楽しんで」
「そうしていきましょう」
「それじゃあね」
二人でこうした話をしてだった、僕は今週は妻と大阪城の千本桜を楽しんだ。その桜達も実に奇麗だった。
千本桜 完
2017・4・29
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