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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第三十二話 イゼルローンにて(その2)
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の返還だ。もっと後の方が良かったのではないだろうか、時間ぎりぎりに返す。連中はゆっくりと戻るはずだ、その隙に撤収する……。もう一人はこの場で置き去りにする。そこでも時間を稼げるだろう。そして最後は爆弾で敵の追い足を防ぐ……。
「シェーンコップ大佐、兵を撤退させてください」
「しかし、まだ時間が足りない。後五分は此処で防がないと……」
「後は彼を運ぶ事で時間を稼ぎます」
そう言うとヴァレンシュタイン大佐はキスリング少佐を見た。
「本当に運ぶのですか、運ぶと言って時間を稼ぐのではなく」
「運びますよ」
俺の問いかけにヴァレンシュタイン大佐が答えた。何気ない口調だ、隣家にお土産を持っていく、そんな感じだった。
「でも誰が運ぶんです」
ミハマ大尉が厳しい表情で尋ねた。おそらくは戻ってこれない、殺されるだろう。相手がこちらの意気を感じて戻してくれるという事も有り得るがあまり期待は出来ない。
「私が運びます。ギュンター・キスリングは私の親友ですからね」
「!」
キスリングとはあのキスリングか! 憲兵隊の彼が何故此処に……。驚く俺にミハマ大尉の呟く声が聞こえた。
「ギュンター……」
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