外伝〜運命が改変された主従の少女達の邂逅〜
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国の代表者であるシルヴァン皇帝陛下と和解の交渉をして頂き、そして和解条約書に調印して頂きます。」
「わ、わたくしがお父様の代わりに……………………………そ、その……オリヴァルトお兄様ではダメなのでしょうか……?わたくしはまだ公式の交渉の場に参加した事がない未熟者ですが、お兄様は既に”西ゼムリア通商会議”に参加したのですから、そう言った交渉事はわたくしよりもお兄様の方が適任かと思われます。」
エリゼの説明を聞いたアルフィン皇女は表情を青褪めさせて身体を震わせた後少しの間考え込み、エリゼに意見をした。
「……オリヴァルト皇子殿下に対して失礼な言い方になり申し訳ございませんが、オリヴァルト殿下とアルフィン殿下には決定的な”違い”がありますから、メンフィル帝国はオリヴァルト殿下をエレボニア帝国の”代表者”――――”ユーゲント皇帝陛下の代理人”として認める事ができないのです。」
「え………その”違い”とは何なのですか?」
エリゼの指摘を聞いたアルフィン皇女は呆けた表情でエリゼに問いかけた。
「――――”帝位継承権”の有無です。」
「!!」
そしてエリゼの答えを聞いたアルフィン皇女は目を見開き
「アルフィン殿下はユーゲント皇帝陛下と陛下の正妃―――プリシラ皇妃殿下のご息女である為”帝位継承権”―――つまり、”ユーゲント皇帝陛下の身に何かあった際、エレボニア皇帝に即位できる権利”がある為”エレボニア帝国の代表者”としての資格はございます。対してオリヴァルト殿下は…………」
「はい………お兄様は”庶子”なので”帝位継承権”が存在しない為、メンフィル帝国はお兄様を”エレボニア帝国の代表者”として認めて頂けないのですね…………」
エリゼの説明に続くように答えを口にした後辛そうな表情をした。
「それともう一つ。幾ら和解を申し出たのがメンフィル帝国とは言え、メンフィル帝国が今まで戦争をしていた相手であるエレボニア帝国の都合にあわせる”義理”はございません。その為リウイ陛下達―――メンフィル帝国は和解の件でオリヴァルト殿下に連絡するつもりはないとの事です。――――今までお辛い目に遭い続けていた殿下に更にお辛い事を突き付けてしまい、誠に申し訳ございません。」
「いえ………エリゼさん―――メンフィル帝国の仰っている事に間違っている事はございませんし、元をたどれば戦争勃発の原因の一つはわたくしなのですから、わたくし自身が責任を取って、貴族連合軍によって幽閉されているお父様の代わりにメンフィル帝国との和解交渉に挑む”義務”があるのも事実です。ですから、どうかお気になさらないでください。」
エリゼに謝罪されたアルフィン皇女は決意の表情になって答えた。
「………寛大なお心遣い、心から感謝致します。
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