第十二話「その力を絶て・前編」
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「……嶺アムロだな?」
「そ、そうだけど……?」
「ふむ……」
まじまじと。ラウラはアムロを見る。しかし、この状況が如何にも気まずく、アムロはラウラの気迫に負けそうになった。
――何か……怖い
「おーい! アームロっ♪」
と、背後からアムロの肩に片腕を絡ませるフォルドの姿が。
「ふぉ、フォルド先生!」
「ボッチみてぇだな? どれ、俺とやっか?」
「お、お願いします……」
どうやら、フォルドが危険を察知してきてくれたようだ。ラウラは、邪魔者が入ったと嫌な顔をしながら二人の背を睨んだ。
――た、助かった……!
「……アムロ、あんましあのラウラってチビに近づくんじゃねぇぞ?」
と、フォルドはやや真顔でアムロに言う。
「は、はい……」
「俺たちから離れずに行動しろ? 場合によっちゃあ……」
「そうですね、気を付けます」
兎に角も、あのラウラって娘には十分に注意しなくちゃ。
しかし、そのあとに事件は起こった。それを知るまでは僕たちは昼休憩を満喫していたのというのに、一人の女子が僕らが居る一組のもとへ駈け込んで来たのだ。
「ガンダムの人たちいますか!?」
「どうしたんだ?」
トランプしていた一夏はその声に振り向いて席から立ち上がった。
「大変なの! ラウラって転校生の娘がアリーナでセシリアさんと凰さんを……」
「ッ!?」
一夏や、一緒にトランプをしていた僕らも何やら良からぬ予感を抱き、教室を後にした。
「あ、アムロ!?」
そのとき、明沙がとっさに僕の手を掴んで止めた。
「どうしたんだよ!?」
「なんか……嫌な予感がするの。先に先生を呼びに行った方がいいよ?」
「そうよ? カミーユたちも一旦落ち着いて?」
明沙に続いてファも言い出した。僕以外の男子らは二人の忠告に何かの予測を感じ、アリーナへ向かおうとする足を一旦止める。だが、窓から映るアリーナの景色から突如巨大な煙が立ち上ったのである。それも、大きな爆発音と共にだ……
「な、なんだ!?」
「ありゃ……喧嘩ってレベルじゃねぇかもな?」
該は目を細めて窓越しにアリーナを見た。
「とりあえず、先生たちを呼ぼうよ!」
と、隼人。
僕らはすぐさま職員室へ向かったが、すでに教員たちはこの騒ぎにざわめいており、MS側のマット達は千冬たちと一緒にアリーナへ向かったようだった。その後を追うかのように僕らもアリーナへ向かった。
「こ、これは……!」
アリーナでは、目の前に横たわるセシリアと凰の二人が、そしてその奥には専用の黒いISを纏ったラウラの姿が見えた。しかし、何やら様子が変だ。
「ガンダムはどこだァ……!」
ラウラは叫ぶ。目を睨ませ、その瞳孔は野獣のように鋭く凶暴だった。そして、彼女の頬からは六角状の鱗が浮き出ているではないか?
「お、おい……!
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