第十二話「その力を絶て・前編」
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、「戻ってきてください!」、「ここは、教官が居るようなところではありません」など、彼女が千冬をどこかへ連れ戻したいと言っているようだ。だが、それも千冬の威圧感のある一言で蹴り戻されて、ラウラは大人しく引き下がってしまった。
「いったい……二人はどういう関係なんだ?」
ラウラに関しては謎が深まるばかりだが、確かなことは彼女が千冬の何らかの教え子だとうことだ。おそらく、ISに関係したことだろう。まさか……姉貴は軍の教官でもしていたというのか?
「いや、それはないわ……」
千冬が、軍の教官をしていたなんて恐ろしく想像もしたくなかった。
*
翌日、MSとISの模擬授業があり、それぞれ機体を展開して実習を行っていた。この授業の内容は、貴重な体験としてMSとISが互いに対戦し合う実習授業なのだ。
MS同士なら対戦用のソフトシステムがあるのだが、ISとの対戦ではその規格が合わないため、双方にペイント弾を装備させたりビーム状の刃もホログラムとなっている。
かくして、互いの対戦を始めたが……勝負はMSのガンダム勢がほぼ圧勝で会った。
該や隼人のガンキャノンらは多少手こずっているものの、遠方からの射撃と威力は素人のISでは防ぎようがない。
無論、ガンダム側はアムロと一夏以外の生徒二人は国家の代表生だ。一夏やアムロも引けを取らぬほどの強さを持つが、とくにカミーユやジュドーの駆るゼータとダブルゼータの機動力と馬力にはさすがの代表候補生であるセシリアと凰は惨敗であった……
「オルコット! 鈴音! 何だその様は!!」
代表娘補正ともあろう者が、こもあっけなく倒れてしまったことに千冬は呆れてしまった。
それも、ガンダム一機に対して二機で応戦しようにも武器を使わずに同士討ちさせたり、さらには小技の格闘でスターライトや薙刀をはじかれたりして、完全に遊ばれている。
「くぅ……カミーユさん! もう一本お願い足します!!」
「ああ、何度でも来い!」
「もう! 何で龍咆が効かないのよ!?」
「文句言うなよ? こっちはダブルビームライフル抜きのハンデでやってんだからさ?」
一方の一夏のユニコーンも、箒が纏う打鉄のブレードを軽々とかわして小技で防ぐ。
「一夏! 私と真剣に戦えぇ!」
「やれやれ……」
しかし、一方のアムロはたいていの女子生徒らに勝ってしまい、ひとり孤立してしまっていた。さらに目の前には自分と同じようにラウラも孤立している。と、いうよりも自ら集団の間へ歩もうとしない。
――げぇ……コイツかよ?
ただでさえ、果たし状とかで喧嘩売られているから近寄りたくない。しかし、無視したら千冬に何か言われそうだしどうすればいいか迷ってしまう。
「おい……?」
「……!?」
すると、彼女はゆっくりとアムロを睨みつけるように振り向いた。
「な、なに?」
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