第十二話「その力を絶て・前編」
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」
と、カミーユはしぶしぶとそう言ったが、そんな彼の気まずい一言に一夏が割り込む。
「やめときなって? 相手は本当にガチでヤバいよ?」
そういって、彼はこの前裏路地で彼女に襲われた内容を周囲に話した。自分が民間人だったという理由もあるが、それ以上にものすごい殺意と敵意を感じた。おそらく、相手は武器を使って殺そうともしているに違いない。
「マリーダさんが助けてくれたからよかったけど、あの時俺一人だけだったらマジでヤバかったかも……俺たちが複数でかかってくることも予想して何か企んでたりもするし、下手に襲わない方がいい」
一夏のその発言に周囲もしぶしぶとうなずくばかり。特に、マリーダは正しい判断だと納得した。
「そうだな……奴は先鋭部隊の隊長と聞く。何らかの権力をもってしてでもお前たちを潰しにかかるだろう」
「……でも、どうして俺たちなんだ?」
ジュドーはそう言って一夏の方を見る。
「だってさ? そいつは一夏だけに恨みがあるっていうじゃないか? それなのに、どうして俺たちまで?」
「恐らく……お前たちの機体と関連があるとかか?」
マリーダは彼らが所有するそれぞれのMSのデータを口にした。
「……まず、一夏の『ユニコーン』だが、あれは設計思想からして謎だらけだ。次に、カミーユの『ゼータガンダム』は、可変系機能を取り入れたGシリーズ初の高機動タイプの機体で、これにもブラックボックスがある。ジュドーの『ダブルゼータ』に関してはカミーユのゼータガンダムの強襲タイプとして機動力を殺し、代わりに防御と攻撃力に特化された大出力の機体だ。やはりこの機体にもブラックボックスがある。そして、最後に全てのGタイプの祖となったアムロのファーストタイプ、『ガンダム』は、ブラックボックスが他のGタイプよりも異常に多く、未知なる性能も計り知れない機体だ。その技術力をMS側の勢力が所持している。当然、IS勢はその技術をどうしても欲しがるわけだ。それゆえにどうにか詳細な戦闘データを解析したいと思っているのだと思う。そのためには``ガンダムに勝利する``のが絶対条件だろう。ガンダムの能力を打ち破り、そのデータをすべて収集すれば……」
「じゃ、じゃあ……俺たちってIS勢から狙われてるってことなの!?」
ジュドーが目を丸くして言う。
「過言ではないな?」
「……」
一夏は、表情を険しくさせた。しかし、何よりもラウラが彼に対して個人的なことを抱いているのが否定できなかった。
――気になるな……?
放課後、ガンダム勢はラウラに目を付けられることなく一日を終えた。彼らもまた一日中ラウラを監視・警戒していたが、黙々と授業に取り組む彼女からは何の不信感も得られなかった。
「……大丈夫なの?」
寮にて。パジャマに着替えた明沙はベッドに腰を下ろして、向こう側のベッドへ横た
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