第十二話「その力を絶て・前編」
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、ジオンとの間に良からぬ衝突もなく、平凡に温厚な関係を築いているものの、ジオンのMS技術はこちらのMSの性能技術を大いに圧倒する存在で、大いに警戒されるべく仮想敵でもあるのだ。今や、連邦政府にとってISと、「ジオンのMS」は彼らを滅ぼしかねない脅威として考えてもいい。ISはすでに敵同然になりつつあるも、やはりジオンのMSも油断してはならぬ相手であった。
――それも、イフリートタイプ。二ムバスと同じ奴か?
カラーリングは一部違うも、同じ機体である。
「あれ? ユウ先生!」
すると、調整中に担任が訪れたことにMS学園の制服を着たシャルロットが気づき、駆け寄ってきた。彼女は、端末のパッドを使って、イフリートの機内をチェックしていた。
「シャルロットか……ユーマは?」
「今、機体の中で調整中です」
「……」
ユウは、隣のイフリートを見た。あれにユーマが融合しているのか。
「時間はかかるかい?」
「あと、十分ほどで終わりますけど?」
「そうか……今回は、二人に話がある」
「何ですか?」
「実は……」
翌日、IS学園にて
何やら今回は転入生が来るそうだ、それもドイツから。この時期に転入生とは珍しいと教員らは違和感をもった。それと同時に、また新たな情報も紛れ込んできた。それは、なんと再びMS学園から新たにパイロットとオペレーターの生徒が二人こちらへ派遣されるようである。噂に聞くと、「EXAM」と呼ばれる特殊なシステムが搭載された機体の性能を確かめるために仮想敵であるISとの戦闘データをとるとのことだ。
元はジオンの独自技術であり、その技術は連邦政府にも提供されているが、このシステムを使いこなせる人間は少なく、唯一扱える存在はMS学園の教員ユウ・カジマとジオン軍の二ムバス・シュターゼンである。しかし、もう一人の適合者が現れ、彼がMS学園に亡命してしまったのだ。
何せ、その適合者である青年は「強化人間」だという。強化人間はジオンと連邦の両者が研究を進めているもので、下手すれば「非人道的」と訴えられかねない存在だ。
ジオン側として、強化人間の、それもEXAMを使いこなせる貴重な人材が連邦政府にわたってしまったことに対しては引き渡しを要求したいのだが、亡命したことをメディアに聞かれてしまったら、ジオンの残忍性が拡大して反感の目を向けられてしまうために下手に手が出せない。しかし、連邦政府もジオンから高いMS技術を提供してくれることもあり、そこは外交、国同士の付き合いとしてうまい具合に付き合っていく必要があるため、連邦政府はジオンに関するこの事実を非公開にしてやったというし、また例の青年に関しては学園を卒業後に彼の機体と戦闘データをジオンに提供するという形でどうにか片が付いたという……と、ここまでがジュドーと凱が仕入れた極秘情報だ。報酬は焼
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