第十二話「その力を絶て・前編」
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MS学園にて
連邦政府が建学した、MS操縦者等育成高等学校「MS学園」。そこは、あのIS学園より数百キロ離れた地点にあるMSパイロットはじめ、オペレーター、整備士、の学習を行う専門高等学校である。
また、施設の半分は在日連邦軍の基地が管理しており、MSの模擬授業は軍の滑走路の一部を貸し切って行うため、それ専用の施設を作ることなど必要ない。
また、学園の半分は軍が管理しているため風紀などの規律も軍の影響があるのか、大変厳しくなっており、連帯責任という風習も芽生えている。
何はともあれ、今日もMS学園は協調性の強い学徒たちであふれていた。
*
「IS学園へ派遣する学徒を二人も?」
学長室に呼び出された教官、ユウ・カジマは自分が受け持つ生徒の二名をIS学園へ向かわせることを聞かされた。とはいえ、その二人の生徒は一週間前に入港手続きを終えて、偶然にも彼が受け持つ教室に編入された男女なだけだ。
「うむ、君と同じ特殊なMSを扱う男子生徒と、彼のサポートを担うオペレーターの女子学徒の二名だ……」
学長のヨハン・イブラヒム・レビルは、そう静かに淡々と彼に言い渡した。
「パイロットのユウマ・ライトニングと、そのオペレーターのシャルロット・デュノアですか……」
「うむ、二人とも良い子たちだ。このまま君のクラスに居続けてやりたかったのだがね? 何せ、パイロットのユウマ・ライトニング君には君と同じシステムを搭載したMSのパイロットなのだよ? そんな彼のストッパー役はシャルロット君しかいない。そこで、あの『例のシステム』を用いて、学園のISとの戦闘データを取ってきてもらいたい」
「はい……」
おそらく、軍の要請だろう。ユウは思った。
「……では、早速で申し訳ないが二人をミディアまで連れてきてくれんかね?」
ニッコリと笑むレビルにユウは一礼をして学長室を出ていった。
ユウは整備を続ける学徒二人の元へ訪ねに向かった。丁度アリーナで模擬戦闘の実習か愛機の整備を行っているころだ。
そんな彼は、アリーナの生徒専用の整備ルームへ出向いた。しかし、そんな彼は目的の生徒よりも、まず初めにその無表情はまなざしに映ってきたものは……
「……!?」
蒼い機体。その期待に記された名称のエンブレムにユウは表情を険しくさせる。
――EXAMシステム搭載機ッ……!?
やはり、予想はしていたが……しかし、もう一体のEXAM機があるとはさすがに驚きであった。
――ニムバス以外にもEXAMの使い手が居たとはな……?
それも、彼らよりも年下の少年が持ち主とはさらに驚きである。しかし、その少年にも更なる衝撃の事実があった。彼らが入校当時、偶然にもユウの元へ配属される際にレビルが発した言葉が意外であった。
『ユーマ・ライトニングは、ジオンから脱走した強化人間だ』
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