第65話<絶対命令>
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うだ、こういう緊急時には助かる。軍隊、特に戦場では指揮官の命令はゼッタイなのだ。
次の瞬間ドシンという大きな衝撃波と激しい水柱が深海棲艦の至近距離で発生した。それは、ちょうど北上の反対側だ。
「グウウ」
妙な声を出した深海棲艦が怯んだ。
「え?」
……北上の反対側だと? つまり外洋側になる。どういうことだ?
「……!」
長い髪を柳のように振り乱した深海棲艦もまた慌てて反対側の海を振り返った。
呉オジサンも顔を上げて確認する。
「誰だ?」
「埠頭と反対側から……」
神戸が頭を押さえながらも状況分析を試みている。
「誰かが酸素魚雷を撃ち込んだらしい」
これは舞鶴、意外に冷静だ。
確かに航跡が無かった。しかし、いったい誰が?
怯む間もなく2発目、3発目と次々に魚雷が撃ち込まれ、何本もの水柱が立ち上がる。もはや湾内の敵は大混乱だ。そして爆薬と金属がこすれた独特の臭いで一杯になった。
港湾内は、まさに戦場だ……本来、鎮守府のお膝元では、あってはならないことなのだが。
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