第三章
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「私が探していたから」
「左様です」
兎も王様そして女王様に言う。
「私めが是非にと思っていましたから」
「よいのです」
女王様は言うアリス達に厳かな声で返した。
「お互いに探す、それもまた気遣いでしょう」
「だからですか」
「よいのです、さて」
女王様はここで私と妹も見て私達に言ってきた。
「そなた達ですが」
「はい、何かです」
私が女王様に答えた。
「急に皆さんが来られて」
「戸惑っていますね」
「というか皆さん何なのですか?」
「女王です」
「王であるぞ」
女王様も王様も微笑んで私の問いに答えてくれた。
「これからお茶会をするのですが」
「場所がここになったのだよ」
「何で私達のお部屋なんですか?」
今度は妹が言ってきた。
「私達十二時の合わせ鏡で悪魔を出そうとしていたのに」
「鏡だからだったんじゃないかしら」
アリスが妹のその言葉に答えた。
「私その中に入ったこともあったし」
「そういえばそうだったわね」
「そう、だからね」
「鏡を合わせたら」
「それでなのよ」
アリスは考える顔のままで妹に話した。
「多分だけれど」
「悪魔が鏡から出て来ないで」
「私達が出て来たのよ」
「不思議の国から」
「鏡の国からだったかも知れないけれど」
「そういうことですか」
「そうじゃないかしら」
これがアリスの私達への言葉だった。
「まあこうしたこともあるかもね」
「全然納得出来ないわよね」
「そうよね」
私達はアリスの話を聞いてもわからなかった、だがそうしたお話をしている間にさらにだった。
お部屋の中に三月兎に代用海亀、それに眠り鼠や普通の鼠に帽子屋さんにグリフォンまで来てだった。
芋虫や蜥蜴もいて私の膝の上にはチェシャ猫が笑って座っていて私ににたにたとして言ってきた。
「どうも」
「どうもって」
「膝お借りするよ」
「それは座る前に言うものでしょ」
「まあまあ」
「まあまあじゃないわよ」
その図々しさに怒ったけれどそれで聞くチェシャ猫でなくてだ。しかも。
ドードー鳥まで私の傍に来ていた、そして何時の間にか大きなテーブルが出されていて私は皆と一緒にその席に座っていたけれど。
隣に座る妹が私に言ってきた。
「これまたおかしいわよ」
「これまたって?」
「いや、こんなでかいテーブル私達のお部屋に入る?」
このことを言ってきたのだ。
「これどういうこと?」
「そういえば」
急に色々な人達というか生きものまで一杯来たのでそのことに驚いたままでこのことにまで気がつかなかった。
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