第五十二話 その手に幸せをその九
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「わかったわね」
「そうならせてもらいます」
「そうしてね」
「お姉さんに宜しくね」
岡島も優しい笑顔だった、その笑顔で優花に話した。
「何かと」
「はい、お話させてもらいます」
「そして長崎に来る時があったら」
「その時はですね」
「また宜しくね」
「はい、こちらこそ」
優花は岡島にも優しい笑顔を向けて答えた。
「お願いします」
「君は本当に頑張ったから」
「そう言ってくれますか」
「だからここまで来られたんだよ」
新しい人生の門出を迎えられるその時をというのだ。
「だからね」
「これからもですね」
「副所長さんも言ったけれど」
「最後の最後まで、ですね」
「人生のね」
「幸せにですね」
「なるんだよ」
「そうなります」
優花はここで約束した、岡島に対してだけでなく副所長に対しても。
「絶対に」
「うん、そうなるんだよ」
「わかりました」
「じゃあ今から神戸に戻るんだね」
「そうします」
「道中気をつけてね」
岡島は優花にこの言葉も送った。
「それで神戸まで帰ってね」
「そうします」
「そして神戸に帰ったら」
「姉さん達とお祝いです」
「飲んで食べるんだね」
「その時も楽しみです」
「なら余計に道中気をつけるんだよ」
岡島はあらためてこう言った。
「そうするんだよ」
「そうさせてもらいます」
「是非ね、ではまたね」
「長崎に来た時は宜しくお願いします」
「それではね」
副所長も岡島も優花と笑顔で別れた、そうしてだった。
優花は八条鉄道の長崎駅から神戸まで向かう電車に乗った、その道中は至って平和でだった。すぐにだった。
神戸まで着いた、その時はもう夜だったが。
夜に家に着いた時にだ、扉を開けると。
優子がいた、そして龍馬も。その二人が笑顔で言ってきた。
「お帰りなさい」
「待ってたぞ」
「ええ、只今」
優花は二人に笑顔で返した。
「帰ってきたわ」
「お料理はあらかた出来てるから」
「じゃあ今から」
「三人でお祝いしましょう」
「これからまた宜しくな」
龍馬も優花に言う。
「また色々あっても」
「それでもね」
「楽しくやっていこうな」
「じゃあ早速ね」
優子も微笑んでだ、優花に言った。
「パーティーしましょう」
「パーティーね」
「飲んで食べて」
そうしてというのだ。
「楽しみましょう」
「それじゃあね」
こうしてだ、優花は神戸に戻って優子と龍馬に暖かく迎えられた。そのうえで新しい生活をはじめたのだった。
第五十二話 完
2016・12・29
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