第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
ナルト
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圧倒的な実力で。太刀打ちできるかどうかわからなくて。
「どうした? 何故かかってこない! ――俺が怖いか! 他人のために戦うのはやめろ。自分だけを愛せばいい。自分の為だけに戦え! それが強い者の定義だ!」
ナルトは我愛羅を睨み続けた。どうしたらサクラとサスケの二人を助けられるのかわからなかった。ただ混乱したナルトの脳裏の僅かに冷静な部分が一つの感情を持つ。
自分だけを愛して――そして次第に他人の感情にまで心が及ばなくなってしまうのだろう。他人の感情を捉えられなくなってしまうのだろう。自分の感情にすら疎くなるのだろう。自分だけを愛して暮らすだなんてなんと虚しいことだろうか。自分だけしかいない世界はなんて孤独なのだろうか。
そしてきっと我愛羅は自分が孤独であるということすら感じ取れないまま、傷も痛みも感じられないくらいに頑なに閉ざされた心を、傷口を広げながらまだ痛みすら感じられないままの心を左胸にしまい込みながらそこに立ち、殺戮に飢え、自分の存在を知ろうと必死になっている。真っ暗な水面をかき混ぜて、そこに映る自分の姿を必死に探し、そして、溺れている。
「さあ、俺と戦え! さっきまでの威勢はどうした!? その力を見せ付けろ! 俺がそれをねじ伏せてやる!」
砂色の巨大な拳を握り締めた我愛羅に、ナルトもぐっと拳を握り締める。
「さあどうした!? 俺とやらなければこの女を殺すぞ!」
サクラを人質に取られてはなんとも返せなかった。ナルトは拳を握り締め、飛び出した。
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