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外伝
外伝《絶剣の弟子》I〜rising hope〜(外伝最終話)
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が周囲を包み、飛行バランスを崩され揉みくちゃにされる。悲鳴と怒声、吹き飛ばされた誰かと衝突し、また誰かを巻き込んで、上下左右どちらとも知れぬ方へ飛ばされる。
 恐らくは10秒にも満たない短い時間だったのだろうが、突然の出来事への混乱が収まらぬ中全身に鈍い衝撃が伝わり、地面へ落下したことを悟った。

「な、にが……!」

 周囲にはリズさんたち、自分のパーティーメンバーたちも倒れている。HPは全員、半分を割り込んだところ。

「皆さん、大丈夫ですか??」
「おう……クソ、一体……」

 咄嗟に軽装のパーティーメンバーを守ったのはタンクビルドのエギルさんのようだった。何らかのスキルなのだろうが、シリカさんやシノンさんのHPの減り方は軽装だった割に重装装備のエギルさんの減少値と然程変わらない。

「……光属性魔法の《フラッシュ・ボム》でしょうか。発動のタイミングを任意に設定出来るので罠として使えた筈ですが……」

 セラさんが冷静にそう分析しながら得物を抜く。その様子にハッとし、反射的に索敵スキルを発動して辺りを見回す。

「な……これは……!」

 付近にいるプレイヤーは60()()()()。次にレイドパーティーの様子を見てみればその半数近くがHPを全損させていた。人数が減った筈なのに増えている。

「まさか……」
「……待ち伏せ(アンブッシュ)からの撹乱。常套手段ね……そして次に来るのはーーー」
「みんな、上を見て!」

 上空に小規模ながらも無数の魔法陣が展開される。あれは敵の頭上に岩石を召喚して落として来る魔法。魔法陣の展開から岩石の落下が開始する時間が長いため、回避され易く使い所が限られて来るが、あれだけの数があればそれも関係ない。幸い、この辺りには直撃しないようだがーーー

「他の皆んなが!」

 その真下にはユウキさんやカイトさんといった他のレイドメンバーの生き残りの大半が居る。

「魔法を使ってるやつらを見つけないと……!」

 リズさんが焦ったように辺りを見回すがその姿は見えることなく、岩石が徐々に落下を開始する。あれだけの人数だ。一度に逃げようとすれば混乱するのは必至だった。

「逃げーーー??」

 無駄だと分かりつつ叫ぼうとし、途中で絶句する。俺たちのパーティーの焦りとは裏腹に、オラトリオ・オーケストラの幹部陣は既に反撃を開始していた。魔法陣が出現してからこの間、僅か10秒も無かっただろう。だが、それは十分な時間だった。

 集団のほぼ中央から黄金のオーラが立ち昇る。フィールド全域を揺らすような振動と共に放たれたのは二条の衝撃波。それは一撃で岩石に(ひび)を入れ、二撃目でそれを完全に粉砕した。同時に風に乗って楽器の演奏が響いて来る。緑色の
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