外伝
外伝《絶剣の弟子》I〜rising hope〜(外伝最終話)
[8/20]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
シウネーやアスナさんだし、ユウキちゃん自身は皆んなを鼓舞したり、先陣切って斬りかかったりしてるだけなんだよ。パーティーの空気作り、というのかな?リーダーっていうのは何も一から十までをコントロールする存在じゃないんだ」
「……つまり、自分に出来ることをする、という?」
「簡単に言えばそうだね。ライト君は最近、色んな人の戦術や技術に触れて来た筈だよね?それもまた活かして、ライト君の出来るリーダーをやれば良いんじゃないかと思うよ」
自信には繋がらなかったものの、セインさんのおかげで肩の荷が下りたような気がする。何となくだが、戦闘中にどんな立ち回りをすれば良いのかが見えて来た。
「ありがとうございます、セインさん」
「気にしないで良いよ。無茶をよく押し付けられる仲間のよしみってことで」
「あ、はは……」
笑えない冗談である。
と、そんな話をしている間にクエストフラグが立てられたというメッセージが表示される。そろそろ出発するらしい。
以前、大ムカデ《The tenfoldcentipede》と戦った時よりはるかに多い人数が参加してる。これだけの規模のレイドに参加するのはもちろん初めてだった。
ボス攻略というものは、基本的に人数が多ければ多いほど戦略幅が広がる。大人数だからこそ出来る作戦や採れる戦術があり、編隊飛行もその1つだった。
編隊飛行というのは要するに飛翔する際の陣形のことで、パーティー規模の人数用からレイド規模の人数用で幅広く設定されていた。
今回の戦闘は屋外なので勿論、翅が使える訳だが全員が無節操に目的地に向かって行けば、これだけの大人数なので途中で引っ掛けるモンスターを引きずって行ってしまうということになりかねない。故に、第1にエンカウントを避けること、第2に引っ掛けたモンスターは素早く処理することが肝要となる。
この一帯では上空に行けば行くほどモンスターとのエンカウント率は下がり、出て来るものも然程厄介ではない。ただし目的のモンスターが出現するポイントは地上なので、そこまでは高度を保ちつつ移動することになった。
《竜の谷》に入ってから20分後、レイドパーティーは予定していた降下地点に辿り着いた。先頭を行くカイトさんのパーティーから合図があり、螺旋を描きながら49人のプレイヤーたちが地上へと降りていく。《竜の谷》はアルン高原からサラマンダー領付近に抜ける最も近い通り道だが、野良プレイヤーたちは種族以外のプレイヤーに対して攻撃的なサラマンダーたちの領域へは滅多のことでは近寄らない。この谷というか、渓谷といった印象を受ける場所もフィールドの難易度も相まって普段から閑散としていた。故に、
「……っ??全員止まれ??ぼうーーー」
その場の誰もがカイトさんの警告に対応出来なかった。
閃光
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ