外伝
外伝《絶剣の弟子》I〜rising hope〜(外伝最終話)
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件の3割以下までHPが削られてしまった。
「師匠越えはまだ厳しいみたいね」
「まだ当分無理っす……」
砥ぎ石にから武器を離したリズさんは、その刀身をススッとひと撫でしてからこちらに渡して来る。
「もう少ししたら、もう1段階強化してみる?その剣」
「えっと……そうですね。その時はリズさんにお願いします」
重みを確認して背中にそれを納めると、じっとリズさんがこちらを見て来る。心なしか少し?の気色が良いような……?
「……な、何ですか?」
「……いや、無いわね」
「え?」
「何でもなーい。ほら、とっととレイドの編成して来なさい!」
鉄製のガントレットを装備したその拳でドン、と胸をど突かれ追い払われる。
「何も殴らなくても……」
HPダメージが適用されない絶妙な力加減だったのか、視界の端にあるバーに変化はない。鈍い衝撃を受けた感覚を手でさすりながら紛らわしていると人だかりが見えた。
集合場所になっている《オラトリオ・オーケストラ》のアルン支部前には約60人のプレイヤーが集結している。内、今回の戦闘に参加するのは49人の1レイド上限一杯だが、他のメンバーは《オラトリオ・オーケストラ》の整備部隊だ。戦闘に参加するメンバーで《オラトリオ・オーケストラ》以外のメンツはユウキさんが率いる《スリーピング・ナイツ》+アスナさんのパーティー、キリトさんの友人だと言うサラマンダーのクラインさんが率いる《風林火山》、それと何故か自分がリーダーということになっている、リズさん、リーファさん、シリカさん、シノンさん、エギルさん、セラさんの3パーティーだ。
「あの、キリトさんは?」
いつもこのメンツを率いている(ように見える)人の名前を出してみると、代表して妹のリーファさんが答えてくれた。
「お兄ちゃん、直前になって都合が悪くなったって言って……急遽代打で私が来たんです」
「唐突なのはいつものことだけど、無責任なのは珍しいわね?しかも、あいつがゲームより優先する用事?」
中には初聞きの人も居たらしく、シノンさんが小首を傾げながら言う。
「いやそれが……ALOには居るらしくって、なるべく早く合流するって」
「はあ……?」
「期間限定のクエストとかでしょうか……?」
「今そんなのやってなかったと思うがなぁ?」
その言には他の面々も首を傾げるが、居ない人のことをいつまでも気にしていたら始まらない。とりあえず言いたいことを言わせてもらう。
「何故、俺がパーティーリーダーなんですか」
「それはあんたの師匠の意向だから」
「俺の意思なんてなかった……!」
そもそも今回のターゲットすら見たことのない俺がパーティーリーダーなんぞやって良いものなのだろうか。交戦経験のあるリ
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