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外伝
外伝《絶剣の弟子》I〜rising hope〜(外伝最終話)
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はない。

「……リズさん、シリカさんそれからエギルさんはアスナさん、シウネーさん、シノンさんの護衛をお願いします」
「了解よ」

 リズさんが代表して答え、2人も無言で頷いてくれる。

「セラさんとリーファさんは上空を抑えて援護を」
「承りました」

 そして、ユウキさんの背中を見る。最初は親切を受けていただけ。いつしか、並び立ちたいという欲求が生まれてからはその小さな背中を追いかけて来た。まだまだあの人の隣は遠い。それどころか多分、その隣にはもう大きな影がいる。叶わぬ夢、無茶な望み。そう割り切って諦めるのは簡単だ。逃避は、俺の得意なことなのだから。
 まだ短いALOでの中のたくさんの思い出。その中でも古いものの1つ、確かあれは、そうーーー

『ユウキさんでもクリア出来ないクエストがあるんですね』
『あはは。流石にレイドボスを1人で倒すのは無理だよー。楽しいけどね!』

 前、試しにやった時は10秒と保たなかったなぁと続けるユウキさんに内心「やったんかい!」とツッコんだ。

『ま、その時は皆んな集めて一緒に挑戦すれば良いんだよ。1人で出来ないことも、仲間とならきっと出来る!だからライトーーー』

 そう。多分、この時に俺はソレを志したのだ。ユウキさんの期待に応えたい。もっと自分を見て欲しい、褒めて欲しい。同い年の女の子へ思うのは少し、いや、かなり恥ずかい想いと共に。

『ーーー強くなって、一緒に戦おうね!』

 そして今、一歩を歩み出す。今、この時だけ……いやどれだけかかってもいつかそう在りたい場所に足を踏み入れる。

 ユウキさんの隣に、並び立つ。

「…………」
「…………」

 互いに無言、しかしその体は示し合わせたように、連動して動き出す。
 短く息を吐いて、敵陣へ飛び出す。一瞬遅れて敵も動き出した。槍と大盾を持ったプレイヤーが前に躍り出て、鋭い突きを繰り出す。俺はそれを左の盾で凌ぐと、跳んでプレイヤーを突こうとする。しかしそれは大盾に阻まれ、両者が後退。その隙にユウキさんが飛び込んで槍持ちのプレイヤーを始末した。ユウキさんはそのまま深追いすることなく、素早く駆け回って敵を撹乱する。注意がユウキさんに集まってくると、空中から援護の魔法が降り注いだ。

「オラァ??」
「ふっ……??」

 刀を持ったプレイヤーが横から斬りかかって来る。一度罠に嵌めたことのある、見たことのある顔だ。途中で軌道が代わり、危うく受け損なうところだったが、なんとか盾で防ぐ。

「……やめた方が良いですよ。俺はともかく、他の人はあなた達よりずっと強い」
「うるせぇ!こっちだってお前がおとなしくやられてさえいればこの連中に喧嘩売ることなんかしねーよ!」
「それはどうも……すみませんねっ??」


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