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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSURY其は恐怖に彩られし宵闇の化身なる者〜LeseFear〜
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を決めた際、そして実際に破壊した際、“アンスール”のみんなは悲しんでくれた。しかも戦闘の中で戦死しても、遺されたメンバーの中から“エグリゴリ”を恨む声が出ることは無かった。
「たとえそうでも! 自分自身を許せないんだよ! 記憶が戻って、自分たちが犯した罪を思い出した時、僕たちは決めたんだ! せめて敵として父さんと戦って、その手で眠りにつこうって!」
「っ! バンヘルドも、グランフェリアも、シュヴァリエルも、それにガーデンベルグやフィヨルツェンの記憶も戻っているんだな・・・?」
「・・・うん。戻ってるよ。父さんがベルカって世界に来るよりずっと前に、ね。・・・最初はね、自壊しようとしたんだよ。でも僕たちには、当時のヴァナヘイム王から自壊も自傷も出来ないように、アンスールのみんなを殺すように、特別なプログラムが組み込まれた。だから記憶が戻っても、そのプログラムがある以上は嫌でも父さんと戦わないといけなかった。だからこうして父さんに敵意を持たせるような行動して、僕たちエグリゴリを斃し易いように仕向けてた・・・」
自分の愚鈍さに怒りを覚える。気付けなかった、バンヘルド達が正気に戻っていたことに。気付いてやれば、もっと違う結末を用意できたのかもしれないのに。唇を噛みしめ、拳を握りしめ、皮膚が傷つき血が流れるのも放って「すまない・・・!」頭を下げる。
「・・・父さん。さぁ、再開しようよ。僕と父さんの最期のダンス」
「レーゼフェア!」
構えを取るレーゼフェアに「やめてくれ!」と言うと、あの子は「だったら僕やミッドと一緒に死ぬの?」と冷めた声でそう返された。あの子が消えない限り、“アグレアス”はミッドに向かい続ける。それはミッドの壊滅を意味する。俺は「くそっ!」と吐き捨て、レーゼフェアを破壊すること以外での策を考える。
「ああ、そうだ。ステガノグラフィアなら、アグレアスのシステムをハッキングすれば・・・!」
どれだけの機能を持とうが所詮は機械兵器。システムを掌握してやれば、その管制権限を奪い取ることが、と考えたところでレーゼフェアが管制機だということを思い出す。ハッとしてあの子を見れば・・・
「無理だよ。アグレアス内に管制機器は1つと存在してない。全て僕の
頭
(
ここ
)
に収まってる。そういう風にするようにプライソンに頼んだからさ」
そう言って人差し指でこめかみをトントンと打った。
「もうこれで父さんは僕を斃すしかなくなった・・・よ!」
――
闇の女王の鉄拳
(
サリュ・マンソンジュ
)
――
俺に向けて突き出された右拳より直径2mの影の拳が放たれた。横移動して回避すると、レーゼフェアは接近戦を仕掛けるためか突っ込んで来た。俺は閃光系砲撃の壁・ルシフェルを解除して、逃げの一手を取る。
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