長芋でスタミナを・その2
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る為、そのまま1つ摘まんで齧り付く。ホクホクとした中に長芋の繊維質が混じった独特の食感に、甘辛いタレの濃い味が絡む。そしてそれを引き立てる黒胡椒のピリッとした辛味とすりごまの香ばしい風味。口一杯にその味が拡がった所に、屋守を流し込む。甘口の屋守が引き立てられる、いい組み合わせだと思う。
「美味しいぃ〜っ!」
阿武隈は頬を抑えながら、イヤンイヤンと身体をくねらせている。そんなに美味かったか。
「だってだって!遠征の間他の皆が騒がしくて、静かにご飯も味わえなかったんですよ!?」
「そ、そうか……因みに遠征の面子は誰だったんだ?」
「えぇと、旗艦が私で……大潮ちゃんに、時津風ちゃん。卯月ちゃんに島風ちゃんに雪風ちゃんに……あ、それに初風ちゃんです」
「お、おぅ……」
予想以上に五月蝿そうな面子が勢揃い。もうちょっとマシな奴等は居なかったのかと尋ねてみたが、非番だったり他の任務に就いていたりで急遽掻き集められた6人だったらしい。
「すまんな、恐らくは飛び込みの仕事だ」
「別にいいんですけどねぇ……地獄の1週間でした」
そう言って呟きながら遠い目をする阿武隈。飛び込みの仕事というのは、当初頼んでいた護衛が何らかの理由で外れてしまい、どうしようもなくなってウチに泣き付いてきた緊急の依頼の事だ。当然ながら予約スケジュールに割り込む上に此方は何の支度も整えていない状態での出撃になる。危険度もその分跳ね上がるが、支払われる報酬もデカイ。恐らくは俺が寝ている内に大淀辺りが支払い額との折り合いを付けて捩じ込み、急いで支度をさせて出発させたのだろうな。ある程度の裁量は認めてはいるが、せめて俺位には話を通すべきだったろう。
『ま、それは大淀に厳重注意だな……』
なんてボンヤリ考えていると、
「提督?大丈夫ですか、ボーッとして」
「あぁ、大丈夫だ。ちと仕事の事を考えててな」
等と、早霜にいらない心配をされてしまった。……まぁ、緊急の依頼を受けて報告書は出したものの、俺が斜め読みしてて覚えてないだけという可能性も往々にしてあるんだが。というか、その可能性が高くて迂闊に大淀に問い質せない。ちゃんと報告書読んでないのがバレたら、何を言われるやら。
さて、焼き物の次は揚げ物かな。豚の小間切れ肉を使って見た目も楽しい『拳骨揚げ』を作るとしよう。
《ガッツリ満足!豚こまと長芋の拳骨揚げ》
・豚小間切れ肉:150g
・長芋:100g
・大葉:3枚
・味醂:小さじ2
・酒:小さじ1
・醤油:小さじ2
・おろし生姜(チューブでOK):少々
・片栗粉:大さじ3〜
さて、作っていくぞ。長芋は1cm角の角切りにしておく。大葉は
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