0016話『暖が無くなる日』
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五月も近くなり、もうそろそろ寒くもなくなってきた…むしろ暑くなってきた今日この頃。
この世界に来る前にすでに告知されていた中規模のイベントに関して資材を貯めているという感じの一日。
大淀がある事を教えてくれた。
「提督。あの、少しよろしいでしょうか…?」
「どうした? なにやら改まっているように聞こえるけど」
「はい。談話室に置いてあるあるものを仕舞おうと思っているんですが…」
「あるもの…?」
「はい。時期も時期なので炬燵です」
「あー…なるほど。それならもう春も過ぎたんだから仕舞えばいいじゃないか?」
「そうしたいのはやまやまなんですが、とある一部の艦娘達がまだ肌寒いと言って炬燵を仕舞うのを拒否していまして…」
「なるほど…まだ炬燵離れできないのか。…ちなみに誰だ?」
そして大淀に教えてもらった名前を聞いて予想通りという感想と、もう一方で意外な人物だなという二つの感想が頭に浮かんだ。
それで談話室へと足を運んでいくとそこにはまず予想通りの子達が炬燵で横になっていた。
そこには特型駆逐艦3番艦の初雪と睦月型駆逐艦11番艦の望月が炬燵に顔以外を沈めさせていた。
「こら、初雪に望月。そろそろ炬燵を仕舞う時だぞ」
「…んー、司令官? まだ、潜っていたいんだけど…」
「そうだよー。まだ寒い…」
「ダメだ。そろそろ五月になって雨も降りだしてくる頃だからいい天気のうちに干しておかないとカビが生えてしまうだろ。
また冬になったらすぐに出すように手配するからもう出ような」
「…わかった…」
「んー、わかったよ」
私の言い分を聞き入れてくれたのだろう二人はダルそうに、だけどのそのそと炬燵から這い出してきた。
「…さて、これで予想通りの二人はいいとして、問題はなぁ…」
それで私はそちらへと顔を向ける。
私の顔を追ってか初雪と望月もそちらへと振り向く。
そこには完全にタレパンダと化しているアイオワとサラトガ、ウォースパイトの連合組海外艦の姿があった。
…畳化が激しいんじゃないかな?
もともと海外は温かいから季節によって寒い日本だと気温の関係で体が合わないのだろう。
アイオワはともかくサラトガとウォースパイトは普段の気品さはどこにいったんだ?と言わざるを得ないような感じで炬燵に入っている表情も緩くなっていた。
「…司令官。…私達よりあっちの方が深刻だと思う…」
「望月も初雪の意見には賛成しておくよ…」
「そうだなぁ…」
それでも他の海外勢は特にいなかったのはまぁいいと思う。
ドイツ艦のみんなは規律に厳しいから数日前に大淀に仕舞うという話をしたら率先して片付けたっていうし。
まぁ、一部プリンツオイゲンが駄々をこねたというがビスマルクが説得をして泣く泣く這い出てきたという。
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