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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
03.消えた希望
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なものは見たことなかった。βテストのときもこれまでの攻略の情報からもこんなものがあったという報告は聞いたことがない。

「確かにそれっぽいな。どうする行ってみるか?」

「やめとけ!! 何があるかわからない!!」

 思わず大きな声を出してしまう。

「大丈夫だろ、もしもの時は、転移結晶で飛べるんだし」

 確かに転移結晶を使えば、危険なエリアなんて基本的には存在しないはずだ。だが、不信感はもはや爆発寸前なくらい膨れ上がっている。信頼できる情報がないだけでここまで不安になってしまうのか、とシュウは自分の弱さに嫌になってくる。

「それじゃあ行こうぜ、みんな」

 シュウの忠告を無視してダイキが輪の中へと入っていった。次々と水色の輪の中に入って行く。皆が入ったのに自分が入らないわけにはいかない。
 視界が光の粒子に覆われて何も見えなくなる。光の粒子が消滅したと思うとそこに広がるのは、真っ暗でなにも見えない空間だった。やはり転移するための装置だったようだ。
 ギリギリで互いの姿が確認できるぐらいの暗闇だ。音が何もしない。とてつもない不安がシュウへと襲いかかってくる。

「何も見えないな」

 ハルキが呟く。他の皆も何か仕掛けがないか辺りを見回す。だが、シュウはこの感覚を知っている。身体がそれを覚えていた。扉を開け放った先に見える暗闇。そこからは音すら聞こえずに奴らは獲物であるプレイヤーたちを狙っている。灯りがつけば命をかけた戦いが始まる。その感覚は、一週間以前、シュウが過ごしていた生死をかけた最前線(フロントライン)の感覚だった。

「イヒヒヒヒヒヒ!!」

 暗闇の中で静寂を切り裂いたのは、奇妙な笑い声だった。その瞬間、周りに青白い光が灯る。ここでようやく違和感の正体に気づいた。だが、そのときにはもう遅い。
 違和感を持った時点で皆に言うべきだった。目の前に現れた絶望そのものの光景。

「う、嘘だ……ろ」

 その絶望に声が洩れた。
 五メートルはあるであろう巨大な人形。両手は三メートルくらいのダラっと垂れたふざけた人形の焦点が合っていない目がこちらを嘲笑うように見ているモンスター、《The Phantom Soul》。それが意味するのは紛れもなく目の前にいるモンスターとこの部屋、Modボスなどではない。
 こいつはフロアボスだ。
 しかも、このボスは見たことのない未知のモンスター。つまりワープ装置で飛ばされた先は二十九層のボス部屋だ。
 だとしてもそんなトラップ今までなかった。強制ボス部屋転移なんて聞いたことがない。
 混乱しきった思考を必死に堪え、冷静な判断をしようと脳が電流を走らせる。

「みんな、転移結晶で早く飛ぶんだ!!」

 シュウの叫びに怯えていたハルキが我に返ってポケ
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