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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
03.消えた希望
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「いい加減離れろよなッ!」

「シュウが許してくれたら離れたあげる」

 彼女はよくシュウに悪戯してくる。その時の対処法が今でも全くわからない。

「なに、イチャイチャしてるんだよ、お前ら」

 ダイキ、ハルキ、ショウタが物陰から顔だけ出してニヤニヤした顔をしている。

「イチャイチャなんかしてねぇよ!!」

「うわ、シュウが怒った逃げろー」

「待てや、テメェら!!」

 こんな生活がいつまでも続くと、いつまでも続いて欲しいと願った。このひと時だけは、あの日ナーヴギアを被ったことを後悔しなかった。
 ……だが、非日常のなかでの日常など存在しないようなものだった。幸せな日々はあの日……一瞬で崩壊したのだった。


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 二〇二三年五月十日 第二十八層・クラシス

「ついに俺たちもここに来れるようなレベルになったな」

 ハルキが興奮と震える声で言った。ダイキたちのギルド《希望》はついにこの世界を解放するために戦い、アインクラッドの約四分の一の最前線に一つ下の階層まで行けるほどの実力をつけてきた。攻略組から離れていたシュウもこの層に来るのは初めてで少しばかり緊張してしまう。
 自然をベースとした階層のようで圏内の建造物のほとんどが巨大な木の根元を切り取ってそのまま使用しているという感じになっている。その光景に皆が見惚れているなかでシュウはある決断をするか迷っていた。《希望》の皆が攻略組まであとわずかというところまで来ることができた。ならばシュウが元は攻略組で、ビーターであると知らせてもいいはずだ。仮にここで拒絶されたとしても彼らならすぐに攻略組へと上がり、また共に戦うことはできる。だが、そこで皆に拒絶されてシュウ自身が耐えることができるだろうか。
 それでも真実を伝えなければいけない。ここまでシュウを信じてくれた仲間に嘘をつき続けながらこの先も行くなんて無理だった。
 迷いを振り切って口を開いた。

「みんなき……」

「そういえば、ダイキはどこいったんだ?」

 ショウタの声が言葉を精一杯の覚悟を振り絞っていった言葉を遮った。
 その時にようやくダイキがいないことに気付いた。考えこんでいたせいでいなくなっていたことにも気づかなかった。

「ダイキなら転移後にどっか行ってくる言ってたよ」

 初めての来た階層での用事とはなんだろうか。武器の確認なら皆で行けばいい、ショップの確認でもそれに当てはまる。フィールドならなおさらだ。
 わずかに嫌な予感がシュウの脳裏によぎった。それは先日の記憶だ。ダイキが夜どこかに行くのをたまたま目にしてしまった。そのことを今朝彼に問い詰めたが気にするなと言って笑みを浮かべるだけではぐらかされる
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