暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
02.槍剣士とビーター
[11/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
。いや、何も言い返せないのだった。彼が言っていることは正しい。
 シュウとキリトが事前に皆に自分たちが持っている情報を皆に知らせておけば、少なくともディアベルだけに知らせておけば彼は死なずに済んだかもしれない。

「きっとあいつ、元βテスターだ!! だから、ボスの攻撃パターンも全部知ってたんだ。知ってて隠してたんだ!! 他にもいるんだろ、βテスターども出て来いよ!!」

 プレイヤーたちに疑心暗鬼が漂う。せっかくプレイヤーたちが一致団結してボスを倒したというのに……
 これではディアベルが残した意思が無駄になってしまう。
 それだけはしてはいけない。
 この場を納める方法など実に簡単だった。
 道化師(ピエロ)を演じきる。ただそれだけだ。

「フハハハハ、ハハハハハッ」

 するとその場には似つかわしくない嘲笑うかのような声が部屋の中へと響いた。
 それが意味することを瞬時に理解したシュウであったが身体が動かない。

「……キリト」

 そんなか細い今にも消え入りそうな声で呼びかけることしかできなかった。

「元βテスターだって。俺をあんな素人連中と一緒にしないでもらいたいね」

 ───やめろ……おまえが、お前だけが背負うことなんて何もない。

 そう言いたかった。だが、言葉に出来ない。身体が動かない。

「なっ、なんやと!?」

「SAOのβテスターに当選した千人の内のほとんどは、レベリングのやり方も知らない初心者だったよ。今のあんたらの方がまだマシさ。でも、俺はあんな奴らとは違う。俺はβテスター中に他の誰も到達できなかった層まで登った。ボスの刀スキルを知っていたのもずっと上の層で刀を使うモンスターと散々戦ったからだ。他にもいろいろと知っているぜ。情報屋なんて問題にならないくらいにな」

「なっ、何やそれ。そんなんβテスターどころやないやないか。もうチートやチーターや!!」

 周りのプレイヤーたちは先ほどまでキリトをたたえていたにも関わらず、今はただの敵扱いだ。
 βテスターの何がいけないのだろうか。ただ他のプレイヤーたちよりも情報を知っていることがそんなにダメなことなのだろうか。
 いや、違う。彼らが言っているのは、それらの情報を共有せずにいることだ。
 そんなことを考えている今も話は進んでいく。

「そうだそうだ!!」

「βのチーターだから《ビーター》だ!!」

「《ビーター》か、いい呼び名だな」

 もう後には戻れない。嫌われ者(ピエロ)はもう決定した。あとはそのピエロに賛同するか、否かしか選択肢は残っていない。
 それでもシュウは相棒を裏切ることは出来ない。
 一歩前に出て口を開こうとしたその時だった。キリトはこちらを睨みつける。それは敵視しているよ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ