0013話『遅いお花見』
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ってきた。
「瑞鶴。秋月や朧、秋雲はいいのか…?」
「うん。あの三人もそれぞれ同じ隊のみんなと楽しんでいるみたいだから。
秋月なんて『瑞鶴さん、本当の食事って…美味しいんですね』って涙目になっていたし…」
…ああ、想像はなんなく出来る。
秋月は…いや、照月に初月もだけど、戦争末期の時代に生まれた艦船だから艦これの設定どおりに食に関しては並々ならぬ思いがあるのだろう。
「それより、加賀さん達がいいんですから私達も一緒の席でもいいよね? 提督さん」
「ああ、酒を多く絡めなければ歓迎するよ」
「ふふっ…最初の宴会の時に提督ってば酔ってずっと笑いっぱなしでしたからね」
「言わないでくれ翔鶴…。笑い上戸だってことは自覚していた事だし、それにみんなと楽しむことができたんだからあの時の醜態は忘れてくれ」
「はい。わかりました」
翔鶴は笑みを零しながら赤城の隣の席に着いた。
瑞鶴も加賀の隣に座る際、
「加賀さん? もっと詰めてくださいよ。座れないじゃない?」
「あら? 座る場所ならもっとあるじゃない…?」
「私に地面に直に座れっていうんですか…?」
「そこまで言ったつもりはないのだけれど…そう思わせてしまったのならごめんなさいね」
「むきー!!」
瑞鶴が口で速攻で負けて唸りを上げている。
うん。やっぱりこの二人はこんな関係か。
まぁ、それでも素直になれないのだろう加賀が、
「でも、早く座りなさい。いつまでも立っていたんじゃ足が痛くなるでしょう…」
「う、うん…」
と言って瑞鶴の手を引っ張っていた辺り、
「加賀も素直じゃないなぁ…」
「そうですね、提督」
鳳翔さんの作ってくれた料理を美味しそうに頬張りながらも楽しそうに赤城がそう小声で呟く。
それで散ってしまっていた桜を見上げながらも、
「榛名…」
《はい、なんでしょうか提督…?》
私の呼びかけにすぐに榛名が透明の姿で現れる。
「赤城もだけど…来年はもっとちゃんとしたお花見をみんなでしたいものだね」
《はい! 榛名もそう思います》
「提督。ですからこれからこの世界で頑張っていきましょうね」
「ああ」
そう榛名と赤城と話しながらも賑やかに行われているお花見の光景を楽しんでいる時だった。
駆逐艦達の集まりの方で『これからかくし芸大会を始めます! 一番はこの私白露がやりまーす!』というマイクを持った白露の姿が見えた。
でも、そこに何よりも早さを求める申し子である島風が、
「白露おっそーい!」
と言いながらもその場で連装砲ちゃん達と一緒に即席のダンスを踊りだし始めていて、他にもそれを酒の肴に酒飲み達が「いいぞー!」と言って場をさらに盛り上げていた。
そんな光景を目にして、
「………無くし
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