暁 〜小説投稿サイト〜
マイ「艦これ」(みほちん)
第53話<パーティの光陰>
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話

「わが国の勝利と鎮守府の発展を願って乾杯!」

----------------------------
マイ「艦これ」「みほちん」
:53話<パーティの光陰>(改)
---------------------------

 山陰でも夏の日は長い。日没時刻はとうに過ぎたが、まだ空は明るい。美保湾にも大山がシルエットを、はっきりと映し出していた。

 騒ぎのあった入渠施設から移動して、ここは鎮守府1階の隊員食堂。開け放した窓からは心地いい海風が吹き抜ける。気が付くと結局は立食パーティのような雰囲気になりつつあった。

 一応、軍隊なので派手な飾り付けまではしないはずが……それでも主体的に質素なデコレーションは貼り付けられていた。

 艦娘たちは少女だから、やっぱり好きなんだろうな、こういうの。ざっと見た感じ、哨戒や入渠以外のほとんどの艦娘が食堂に集まっているようだ。

 ここぞとばかりに窓の外のウッドデッキにも艦娘たちが鈴なりだ。さすがに今日は私は挨拶しなくても良さそうだ。やれやれホッとした。

 だいたいピンクの作業服では何を言われるかわからない。とはいえこのムードならピンクの格好でも違和感はなさそうだな。そういう意味ではラッキーだったかも知れない。

 しかし制服を脱いでラフな私服になった呉や神戸それに舞鶴の姿は実に興味深いものがある。
1)呉:人の良さそうなオッちゃん。
2)神戸:意外に爽やかな好青年だ。
3)舞鶴:ガリ勉? やっぱ気難しそう。

 この参謀たちの『変身』ぶりを見るだけでも価値がある。ついでに、あの青年将校も、この場に居たら面白かったのに。彼も大幅にイメチェンされるのだろうか?

「そろそろ時間ですので始めましょう」
 祥高さんは全体の前で言った。

「堅苦しいことは抜きですが、乾杯は行いましょう。司令、音頭を」
……ああ、やっぱり呼ばれるのか。

 チョッピリだけ心の中でうな垂れた私。大げさなことは言わないとしても原稿も準備もなにもない。しかし……これも指揮官の宿命だな。

 私は大淀さんからマイクを受け取ると小さな演台に立った。たくさんの視線が、いっせいに集まった。
「えっと……」

 うわ、演台から見ると圧倒されるな。この鎮守府にも、こんなたくさん艦娘が居たんだ。確か総数で70名、全員が来ているわけではないとしても狭い食堂やデッキに鈴なりだ。

 気のせいか、やはり「ピンク」とか「あれは武蔵とか戦艦クラスの服ね」という呟きが聞こえる。武蔵? ……雲の上の艦娘だな。

 軽く会釈をして私は直ぐに語る。
「えー、あくまでも視察任務の一環でありましたが各地からの鎮守府参謀の皆さんの希望もあって今宵は艦娘の皆さんとの交流の場を兼ねた食事会を行います」

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ