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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
会談終了
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シグルドは拳を握り、更に何事かを喚き立てようとした。だがサクヤが指先でタブに触れると同時に、鏡の中からその姿が掻き消えた。シルフ領を追放され、アルンを除くどこかの中立都市にランダム転送されたのだ。

金色の鏡は、しばらく無人となった執政室を映していたが、やがてその表面が波打ったと思うと(はかな)い金属音を立てて砕け散った。同時に周囲を再び夕陽の光が照らし出した。

「……サクヤ……」

再び静寂が訪れても眉根を深く寄せたままのサクヤの心中を(おもんぱか)って、リーファはそっと声をかけた。

美貌の為政者は、左手を振ってシステムメニューを消去すると、吐息交じりの笑みを浮かべた。

「……私の判断が間違っていたのか、正しかったのかは次の領主投票で問われるだろう。ともかく__礼を言うよ、リーファ。執政部への参加を(かたく)なに拒み続けた君が救援に来てくれたのはとても嬉しい。それにアリシャ、シルフの内紛のせいで危険に晒してしまって済まなかったな」

「生きていれば結果オーライだヨ!」

というケットシー領主の呑気(のんき)な声に続けて、リーファもぶんぶん首を振った。

「あたしは何もしてないもの。お礼ならこの2人にどうぞ」

「そうだ、そういえば……君達は一体……」

並んだサクヤとアリシャ・ルーが、改めて疑問符を浮かべながらネザーとキリトの顔をまじまじと覗き込む。

「ねぇ、インプ君、確か大使って名乗ってたけど……本当なの?」

好奇心の表情か、立てた尻尾をユラユラさせながらアリシャが言った。ネザーは肝が据わった態度できっぱりと答えた。

「もちろん大嘘だ。ポーカーで言うところのブラフだ」

「な__………」

2人がガクンと口を開け、絶句。

「……無茶な男だな。あの状況でそんな法螺吹きをするとは……」

「なら、一緒にいたスプリガン君が護衛っていうのも、嘘なんだネ」

「………」

当たり前、という顔で頷く。

「手札に勢いがない時は、掛け金をレイズするのが得策。あの状況では、それが一番有効な手段だった」

それを聞いたアリシャ・ルーは突然ニィッと、いかにも猫斜めいたイタズラっぽい笑みを浮かべると、数歩進み出てネザーの顔を至近距離から覗き込んだ。

「大嘘つき君にしては君、かなり強かったネ?さっきのユージーン将軍はALO最強って言われてるんだヨ。それに正面から勝っちゃうなんて……インプの秘密兵器、だったりするのかな?」

「いいや。敢えて言うなら……ロクでなしを救うために雇われた傭兵だ」

「ぷっ、にゃはははは」

ネザーの答えを冗談と解釈したのか、アリシャは一頻(ひとしき)りに笑うと、いきなりネザーの右腕を取って胸に抱いた。斜め下方からコケティッシ
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