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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ネザーVSユージーン
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息を飲むリーファに向かって軽く頷くと、キリトは首を傾げた。

「誰?有名なのか?」

「まあね」

リーファが短い一言を発すると、サクヤは説明を続けた。

「サラマンダー領主《モーティマー》の弟……リアルでも兄弟らしいがな。知の兄に対して武の弟、純粋な戦闘力ではユージーンのほうが上だと言われている。サラマンダー最強の戦士……ということはつまり……」

「全プレイヤー中最強……?」

「そういうことになるな……。とんでもないのが出てきたもんだ」

「……マジか……」

サクヤの説明が終わった途端、キリトの顔に焦りと不安の色が浮かび上がってきた。

空中で対峙する2人の戦士は、相手の実力を計るかのように長い間睨み合っていた。高原の上を低く流れる雲が、傾き始めた日差しを遮って幾筋(いくすじ)もの光の柱を作り出している。その1つがサラマンダーの剣に当たり、眩く反射した、その瞬間。

予備動作1つなくユージーンが動いた。

ピュイン!と空気を鳴らして、超高速の突進をかける。右に大きく振り被った大剣が宙に赤い弧を描き、小柄なインプに襲い掛かる。

だがネザーの反応もさすがの速さだった。無駄のない動作で頭上に片手剣を掲げ、翅を広げて迎撃態勢に。敵の剣を受け流し、カウンターの一撃を叩き込むつもりか__とキリトが見て取った、その直後。

「__!?」

ネザーに向かって振り下ろされる赤い剣は、紫の剣に衝突するその瞬間、刀身を(おぼろ)に霞ませた。そのままネザーの剣を透過し、再び実体化。

ダガァァァン!!という爆音が世界を揺らした。キリトの胸の中央に炸裂した斬撃は巨大なエフェクトを爆裂させ、紫衣の姿は暴風の中の木の葉のように叩き落とされて地面に突き刺さった。再び轟音、そして土煙。

「な……今のは!?」

絶句するキリトに答えたのはアリシャ・ルーだった。

「魔剣グラムには、《エセリアルシフト》っていう、剣や盾で受けようとしても非実体化して擦り抜けてくるエクストラ効果があるんだヨ!」

「なんだって!?」

「そ、そんな……」

キリトとリーファは慌ててネザーのHPバーを確認しようと眼を凝らす。だが、カーソル照準を合わせる間もなく、土煙の中から矢のように飛び出す影があった。ホバリングするユージーン目掛けて一直線に突進していく。

「ほう……よく生きていたな!」

(うそぶ)くサラマンダーに向かってネザーは、

「これくらいで殺られるほど……俺はヤワじゃねえよ!」

お返しとばかりに片手剣を叩き付ける。

ガン、ガァン!と撃剣の音が立て続けに響いた。武器の性能に負ぶさっているだけの剣士ではないらしく、キリトの眼にも捉えきれないほどのネザーの連続攻撃を、ユージーンは的確に
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