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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
種族の危機
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塞がるような思いを味わいながら、リーファはその先を口にした。
「世界樹の上に行きたい、っていう2人の目的のためには、サラマンダーに協力するのが最前かもしれない。サラマンダーがこの作戦に成功すれば、充分以上の資金を得て、万全の体制で世界樹攻略に挑むと思う。スプリガンとインプなら、傭兵として雇ってくれるかもしれないし。__ここで、あたしを斬っても文句は言わないわ」
その時は、抵抗はするまい__とリーファは思った。普段の自分からはとても考えられない思考だったが、戦っても絶対に勝てない確信があったし、それに何となく、このたった1日前に知り合った2人と戦うのは嫌だった。
もしそうなったら……あたし、ALOを辞めるかもしれないな……。
そんなことを考えながらもう一度2人の顔を見ると、彼らは表情を変えずに走り続けながら、キリトがぽつりと言った。
「所詮ゲームなんだから何でもありだ。殺したければ殺すし、奪いたければ奪う」
わずかに間を置き、
「__そんな風に言う奴には、嫌って言うほど出くわしたよ。一面ではそれも真実だ、俺も昔はそう思っていた。でも、そうじゃないんだ。仮想世界だからこそ、どんなに愚かしく見えても、守らなきゃならないものがある。俺はそれを__大切な人に教わった……」
その瞬間、今度はネザーが口を開き、優しさと暖かさを帯びた声が響いた。
「VRMMOでは矛盾するが……プレイヤーとキャラクターは一体だ。自分の利益のために相手との絆を断ち切り、欲望のままに動くのは合理的と言えるが……それは愚か者のすることだ。少なくとも俺は、そこまで愚かじゃない。ここまで共に行動してきたリーファと縁を斬るつもりもない」
「俺も同じだよ」
「キリト君……ネザーさん……」
不意に胸が詰まって呼吸ができなくなり、リーファは立ち止まった。わずかに遅れてキリトとネザーも停止する。
両手を体の前でギュッと握り、言葉にできない感情の流れを持て余しながら、ジッと2人を見つめた。
そうか……そうだったんだ__。心の奥で呟く。
今までこの世界で、どうしても他のプレイヤーに、ある距離以上には近づけなかった理由。それは相手が生身の人間なのか、ゲームのキャラクターなのかわからなかったからだ。相手の言葉の裏に、本当のこの人は何を思ってるんだろうと、そんなことばかり気にしていた。どう接していいのかわからないが故に、他人の差し出す手を重荷と感じ、いつも翅を使って振り切っていた。
でも、そんなことを気にする必要はなかったのだ。自分の心を感じるままに__、それだけでよかったし、それだけが真実だった。
「__ありがとう」
心の奥底から浮かび上がってきた言葉を、そっと口にした。それ以上何か話したら、泣いてしまいそうだ
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