暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
橋上の決着
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
たんだろ?」

シルフ狩りなる言葉に顔を顰めながら、ネザー達3人は視線を交わした。おそらくネザーとキリトがALOを始めたばかりに遭遇し、昨夜撃退したサラマンダー部隊のリーダーのことだろう。

「……で、そのジータクスさんはなんであたし達を狙ったの?」

「ジータクスさんよりもっと上の命令だったみたいだぜ。なんか、《作戦》の邪魔になるとか……」

「作戦って?」

「サラマンダーの上のほうでなんか動いてるっぽいんだよね。俺みたいな下っ端には教えてくれないんだけどさ、相当でかいこと狙ってるみたいだぜ。今日入った時、すげえ人数の軍隊が北に飛んでくのを見たよ」

「北……」

リーファは唇に指先を当て、考え込んだ。アルヴヘイムのほぼ南端にあるサラマンダー領の首都《ガタン》からまっすぐ北に飛ぶと、リーファ達が現在通過中の環状山脈にぶつかる。そこから西に回ればこのルグルー回廊があるし、東に行けば山脈の切れ目の1つ《竜の谷》がある。どちらを通過するにせよ、その先にあるのは央都アルン、そして世界樹だ。

「……世界樹攻略に挑戦する気なの?」

リーファの問いに、男はぶんぶんと首を振った。

「まさか。さすがに前の全滅で懲りたらしくて、最低でも全軍に古代武具級の装備が必要だってんで(ユルド)貯めてるとこだぜ。おかげでノルマがキツくてさ……。でもまだ目標の半分も貯まってないらしいよ」

「ふうん……」

「ま、俺の知ってるのはこんなとこだ。__さっきの話、本当だろうな?」

後半はキリトに向けられた言葉だ。

「取引で嘘がつかないさ」

スプリガンの少年は飄々と(うぞぶ)くとトレードウィンドウを操作した。入手したアイテム群を覗き込んだサラマンダーは、嬉々(きき)とした表情でせかせかと指を動かしている。

ネザーとリーファは半端呆れながら男に言った。

「それ、元はお前の仲間の装備だろ」

「気が(とが)めたりしないの?」

すると男はちっちっと舌を鳴らす。

「わかってねえな。連中が自慢気に見せびらかしてたレアだからこそ快感も増すってもんじゃねえか。ま、さすがに俺が装備するわけにもいかねえけどな。全部換金して家でも買うさ」

ほとぼりを冷ますために何日かかけてテリトリーに戻ると言い残し、サラマンダーは元来た方向に消えて行った。

なんだが、ついさっきまで繰り広げられていた死闘が嘘のように思えて、リーファはすっかりいつもの調子に戻っているキリトの顔をまじまじと眺めた。

「ん?何?」

「あ、えーっと……。さっき大暴れした悪魔、キリト君なんだよねぇ?」

訊くと、キリトは視線を上向けて顎をぽりぽりと掻いた。

「んー、多分ね」

「多分、って……サラマンダーがモンスタ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ