暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
橋上の決着
[6/9]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
いかにも魔法職といった
細面
(
ほそおもて
)
を引き攣らせた。スペルワードをファンブルしたらしく、両手を包んでいたエフェクト光がブスン!と黒煙を上げて消滅する。
キリトの変化した悪魔は、地響きと共に一歩足を踏み出すと再び轟くような雄叫びを放った。リーダーと思しき男は「ヒッ!」と喉を詰まらせたような悲鳴を上げ、右手をぶんぶん振り回した。
「た、退却!たいきゃ__」
だが、その言葉が終わらない内に__。
悪魔は一瞬身を縮めると、大きく
跳躍
(
ちょうやく
)
。ズシンと橋を揺るがして着陸したのは集団の
真
(
ま
)
っ
只中
(
ただなか
)
だった。それから後はもう、戦闘と呼べるものではなかった。
悪魔の鉤爪が唸るたび、その軌跡にエンドフレイムが飛び散る。中には健気に杖で肉弾戦を挑もうとする者もいるが、武器を振り下ろす間もなく頭から牙に飲まれ、絶命する。
暴風圏から器用に逃げ回っていたリーダーが、最早これまでかと見てか橋から身を躍らせた。水柱を上げて湖面に飛び込むと、そのまま猛烈なスピードで彼方の岸を目指して泳いでいく。
ALOでは水に落ちても、装備重量が一定値以下なら沈むことはない。メイジの軽装が幸いして、見る見る内に橋から遠ざかっていったが__突然、その数名の下にゆらりと巨大な黒い影が現れた。
直後、ガポンという水音を残してリーダーが一瞬で水に引き込まれた。無数の泡を残して影は湖水の深みに潜っていき、消える直前、チラッと赤い光が
瞬
(
またた
)
いたのが見えた。
キリトの悪魔は敵リーダーの末路は興味を示さず、とうとう最後の1人となった不運なメイジを両手で高々と持ち上げた。ギャーギャーと悲鳴を上げるその体を、2つに
捻
(
ね
)
じ切る勢いで力を込めていく。
あまりのバイオレンスシーンに思わず呆然としていたネザーがそこでようやく我に返り、大声で叫ぶ。
「待て、キリト!!そいつは生かしておけ!!」
急いで悪魔の元の駆け出したネザーに続いて、ユイを肩に乗せたリーファも駆け出した。悪魔は動きを止めて振り返ると、不満そうな唸りを上げながらもサラマンダーの体を空中で解放した。
ドチャッと音を立てて橋の上に落下し、放心の体で口をパクパクさせている男の前で立ち止まると、ネザーは鞘に収納していた片手剣を右手ですぐさま抜き取り、男の足の間に突き立てた。金属音と共に剣先が石畳に食い込み、男の体がビクッと震える。
「誰の差し金なのか、洗いざらい吐いてもらうぞ」
冷ややかな声の内側には、押さえ込まれた怒りが眠っているようだった。そのゾッとするような声は、逆に男をショックから醒ませたらしく、顔面蒼白ながらも首を横に振った。
「こ、殺すなら殺しやがれ!」
「こいつ……」
やけくそのつもりか、頑とした態度を取る男にネザーは少な
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ