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風魔の小次郎 風魔血風録
43部分:第五話 メッセージその一
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み右膝を着くのだった。
「ぐうう・・・・・・」
「ほう、流石は風魔九忍だ」
 紫炎はまだ何とか生きている項羽を見て言った。
「この紫炎の最大奥義を受けてまだ生きているとはな」
「抜かせ。この項羽そう簡単にやられはせぬ」
 紫炎に顔を向けて言葉を返す。
「貴様を。倒すまでは」
「そうか。だがそれは適わぬことだ」
 紫炎はこう言うと。己の周りに再び炎を漂わせてきた。そして。
「御前はここで倒れる。死ぬのだ」
「うう・・・・・・」
「といきたいだろうけれどね」
 しかしここで。また誰かの声が来た。
「むっ!?」
「その声は」
 項羽から見て左手だった。二人がそこに顔を向けると麗羅が立っていた。
「麗羅」
「風魔にも援軍か」
「そういうこと。悪いけれど項羽さんはやらせないよ」
 にこにこと笑って項羽の前に来て言うのだった。
「僕が来たからね。紫炎だったね」
「そうだ」
 麗羅の問いに対して答える。
「麗羅か。話は聞いている」
「僕も有名みたいだね」
「風魔一族きっての炎の使い手」
 紫炎の目に闘志が宿る。
「その名は聞いている。同じ炎使いとしてな」
「こっちも聞いていたよ。夜叉一族で一番火を使うのが上手いってね」
「ならば話は早い」
 麗羅を見据えたまままた言う。
「どちらの炎が上か。ここで決着をつけるとするか」
「項羽さん、僕が来たからもう大丈夫だから」
 麗羅は項羽を後ろに庇ったまま彼に声をかける。
「任せて。いいよね」
「気をつけろ、麗羅」
 項羽はその麗羅に対して忠告する。
「あの男、強いぞ。それもかなりな」
「わかってるよ。けれど技はもう見たから」
 こう項羽に答える。
「やれるよ。任せて」
「・・・・・・わかった」
 麗羅を信じその言葉に頷くことにした。今麗羅は紫炎を見据えていた。二人はそれぞれズボンのポケットにその両手を入れたまま対峙している。
 今回先に口を開いたのは紫炎だった。
「項羽にも言ったが白虎は深手を負っている」
「項羽さんもね」
「だからだ。早めに終わらせてもらう」
「こちらもね。それじゃあ」
「参る!」
 先に動いたのは紫炎だった。
「夜叉紫砲炎!!」
 項羽を撃ったあの炎を放つ。それが今度は麗羅に目掛けて襲い掛かる。だが麗羅はそれを見ても至って冷静なままであった。

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