暁 〜小説投稿サイト〜
俺たちで文豪ストレイドッグスやってみた。
第3話「Smart Links」
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その奔流から体を引き剥がした。
 強引に砂塵の壁の外へと飛び出し、砂に潰された目を拭う。

「くそ、搦め手か?洒落くせぇッ!」

 雷を纏った蹴りで強引に暴風を引き起こし、砂埃に塗れたその壁を引き千切る。晴れた砂嵐を確認して『狩人』は双樹に視線を戻し、そうして漸くその変化に気が付いた。
 双樹が立つその場所――否、双樹『しか』立っていないその場所には、絵里の姿がないのだ。

「……二体の竜騎士と砂塵で気を逸らしてる間に、ターゲットを逃したか。面倒な事を」

「ーーさてと、待たせたな。『狩人』」

 双樹が、そう、唐突に呟く。
 訝しげに双樹を睨み付ける『狩人』を気にした様子もなく、彼は二枚のカードを取り出す。眉一つ動かさずそのカードを消失させ、触媒とし、新たなる存在が顕現する。

 片や、全身を白銀の鱗に包む青眼の龍王。蒼銀の輝きを携えたソレは、その巨大な身をよじらせ、圧倒的な殺気と共に、その蒼い視線で『狩人』の終焉を告げる。

 片や、全身を漆黒の鱗に包む赤眼の龍王。赤黒く鈍い光沢を放つ彼の龍は、その悍ましい牙を研ぎ、爆炎をその喉奥に溜め込んで、『狩人』の滅びの刻を急かす。

「ここからは――」

 双龍を従えた『彼』は相変わらずの冷たい瞳のまま。しかしその姿は、罪人に一切の慈悲を見せぬ裁定者の如く。



「ーー加減は無しだ」



 王は、狩人と相対す。





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