第32話 神官と再会と
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くなるが、それよりもとっとと、この場所を離れるべきだろう。
ジュリオとしては、ルーンがヴィンダールヴではないかとの疑惑の確認のためであり、それ以外は些細なことであった。ただし、この時点でシェフィールドがガリア王国ジョゼフ王の使い魔だと気がついたのであれば、また話は異なっていたであろう。
翌日夕方、トリステイン魔法学院の再開まで暇を持て余している俺は、親父の代わりに男爵家のパーティに出席することにした。親父がアルビオンでの退却戦で1人の剣士が足止めを行なったという、ものすごくうさんくさい話の真偽について担当することになったとのことだ。
そしてパーティ会場をすすんでいった中、目にとまったのは、若々しい夫人っぽい感じのパーティドレスを着ているティファンヌだった。こちらから声をかけるか迷ったが、夫がすぐそばに居ないようなので、こちらから声をかけるのは遠慮した。
ただし気になるもので、たびたび目をむけていると、ティファンヌと視線がからまった。
一瞬戸惑ったとうな顔となり視線をはずされたところで、まあ、そうだろうなと思った。
しかし、再度視線をむけてきて歩いてくると、
「ミスタ・アミアン、一曲踊っていただけませんか?」
「夫の紹介が先だと思うのだけどね? ケルシー男爵夫人」
「今日は私1人での参加ですの」
新婚早々に1人でパーティ参加ってってなんだそれと思いながら、一緒に曲いのって踊りつつ、またしてもティファンヌから脅かされることがあった。
夜の密会の合図がきて、とまどってしまった。ティファンヌが少々自由奔放な面があるとっても、新婚早々だぞ?
「ダメ?」
「……そうじゃないけど」
意図が察せずに、曖昧に答えたが、踊りの終わり間際に
「次はいつもの男爵家のパーティでも」
と、使い魔となる前の暗語で『次は』というのはこの後、『いつもの男爵家のパーティ』というのはいつもの宿ということだろう。
ティファンヌが他の夫人と話してからパーティ会場をでていったのをみて、時間をずらして出ていくのに1曲別な女性とおどってから、いつもの宿に出向いた。
いつもの宿ではいつもの偽名を使い部屋を取ろうとしたら、先客がいるとのことで、ティファンヌだろうと、知らされた部屋の前まで行って、ノックをためらったがここまできたんだと、ノックをする。
「どなた?」
「ジャックだ」
「入ってちょうだい」
俺はドアをあけると、先ほどのパーティドレスを着ていたティファンヌが居る。
「やあ、ひさしぶりだったね」
「こっちこそ、事前に言わないで結婚しちゃって」
「いや、命にかかわることだから、仕方がないと思うよ。それよりも、パーティに1人で参加って新婚早々にどうしたんだい?」
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