第五十一話 神戸に戻ってその六
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「姉さんの下着はシンプルで色も白だけじゃないでしょ」
「赤や青、黒もあるわね」
「私白だとフリルが好きだし黄色とかピンクとかだから」
「貴女は可愛い系ね」
「だからね」
同じ女ものの下着でも色やデザインが違うからというのだ。
「間違いないでしょ」
「そうだといいわね」
「というか間違えるの?」
「焦ってたら間違えるかも知れないから」
だからだというのだ。
「言ったのよ」
「そうなの」
「だから一応ね」
「下着のことは気をつける」
「お互いにね、そうしていきましょう」
「わかったわ」
優花もそこまで言われて頷いた。
「それじゃあね」
「そうしなさいね」
「わかったわ」
「そういうことでね、帰ったその日は」
優子は優花にさらに話した。
「お鍋でお祝いしましょう」
「あっ、お鍋なの」
「すき焼きがいいかしら」
この鍋をというのだ、日本の鍋料理そして肉料理の代表の一つだ。明治時代には牛鍋と言われて食べられていた。
「お祝いには」
「贅沢じゃない?」
「今時でしょ」
三十年以上ならというのだ、優子もまだ生まれていない頃だ。
「お肉が高いって」
「けれど牛肉でしょ」
「だからっていうのね」
「鶏肉や豚肉より高いし入試の時もステーキで牛肉だったし」
「あのお肉も輸入肉だったでしょ」
つまり安い肉だったというのだ。
「それで今回もね」
「輸入肉でなの」
「するつもりだけれど」
「だからお金のことはなの」
「気にしなくていいわよ、それに姉さんお給料増えたから」
このこともあってというのだ。
「気にしなくていいから」
「じゃあ」
「そう、帰ったらすき焼きね」
「それでお祝いね」
「神戸に帰った、そして入学した」
その二つへのというのだ。
「お祝いにね」
「すき焼きしてくれるの」
「ええ、ただお肉はね」
「安いのよね」
「神戸牛はね」
神戸にいてもとだ、優子は苦笑いをして言った。
「高いから」
「無理よね」
「そう、流石にね」
「それは仕方ないわね」
「けれどお肉は沢山買うから」
そこはしっかりするというのだ。
「楽しみにしていてね」
「ええ、そうさせてもらうわ」
「お肉は安くてもね」
「沢山食べたいよね」
「私はそうした考えだから」
「私もだけれど」
「優花は私程食べないからね」
優子は妹のこのことをここで話した。
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