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Blue Rose
第五十一話 神戸に戻ってその五

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「だから悲しいものじゃないの」
「そうなのね」
「決してね」
「じゃあ」
「そう、悲しまずに」
「笑顔でお別れね」
「そうしなさい」
 こう優子に言うのだった。
「離れ離れになるけれど」
「長崎のお友達とも」
「それは絶対でも永遠でもないから」
「そういうものね」
「また会えたりするわ」
 再会の時が来るというのだ。
「だから安心してね」
「安心してそして」
「今は楽しんできなさい」
「パーティーを」
「そうしてきてね、それが終わったらよね」
「ええ、長崎に戻るわ」
「お部屋はもう掃除してあるから」
 優花が入るその部屋はというのだ、彼女にとってその部屋は以前住んでいた懐かしい部屋でもある。つまり以前住んでいた部屋に戻るのだ。
「荷物も届いたし」
「結構送ったでしょ」
「ええ、それも置いておいたから」
「ダンボールからはまだ出してないわよね」
「ええ、まだよ」
 それはというのだ。
「そのことは安心してね」
「じゃあ帰ったらね」
「出して」
「私がお部屋の中に置くから」
「そうするわ」
「それじゃあね、入学式までいえ四月までには」
 その時まではというのだった。
「気楽に前みたいにね」
「生活出来る様に」
「そうしたいわね」
 元のその部屋でというのだ。
「是非ね」
「貴女ならそうするでしょ」
「言われてみれば」
「家事とかお掃除とかはすぐに動いてするから」 
 それも徹底的にだ、実はこれが優花の運動にもなっている。だから小柄な割に食べて飲んでも太っていないのだ。
「一日で終わるかもね」
「朝から晩までして」
「そうかも知れないわね」
「自分でそうなるかもってね」
「思うでしょ」
「言われてみれば」
 こう姉に答えた。
「確かにね」
「それでもいいわね、けれどね」
「ええ、神戸に帰ったら」
 その時のことはだ、優花は期待して言えた、
「またね」
「一緒にね」
「姉さんと暮らせるのね」
「そうよ、ただね」
「ただ?」
「下着は間違えないでね」
 くすりと笑ってだ、優子は優花にこんなことも言った。
「女の子になったから」
「普通間違えないでしょ」
「そうかしら」
「だってサイズも下着の趣味も違うから」
 だからとだ、優花は姉に言った。
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