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風魔の小次郎 風魔血風録
34部分:第四話 白い羽根の男その三
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。頼むぞ」
「わかりました」
「あいつにしろそうなんだがな」
 兜丸は小次郎を見ていた。
「あの馬鹿、無鉄砲な真似ばかりしやがって」
「全くだ」
 林彪は腕を組み自分の木刀をそこに抱え込みながら小次郎を見ていた。
「あいつの馬鹿はなおらないな」
「馬鹿は死んでもなおらないっていうがな」
「あいつは暫くは出撃させない方がいいな」
「そのつもりだ」
 竜魔が劉鵬に答える。
「今出したらその時は」
「その時は」
「あいつが死ぬ」 
 こうまで言い切る竜魔だった。
「だからだ。今は」
「そういうことだな。おっ」
 兜丸はここで後ろの気配に気付いた。霧風が来たのだ。
「何処へ行くんだ?」
「偵察だ」
 霧風はこう兜丸に答えた。
「偵察か」
「今夜叉八将軍は誠士館に集結している」
「ああ」
 これはもう誰もがわかっていることだった。しかし霧風はそれをあえて言ってみせたのだ。
「ならば。それを利用させてもらう」
「八将軍が制圧していた八つの地域への偵察か」
「そうだ」
 仲間達の方を見ずに答える。
「どうやら近頃怪しい男達も出ているようだしな」
「怪しい男達?」
「あれか」
 一同が顔を顰めさせた時に竜魔だけが答えることができた。
「白い超長ランに銀色の髪と目を持つ」
「銀色の髪と目ですか」
 麗羅がそれを聞いてその流麗な眉を顰めさせる。
「また随分と変わった格好ですね」
「だからこそ目立つ。それに噂では」
「うむ」
「近頃あちこちの忍の里が襲撃を受けている」
 霧風は言う。
「どういった理由はわからないが。それで大きなダメージを受けた忍もある」
「何っ、それは本当か霧風」
 林彪はそれを聞いて顔を曇らせた。
「それは尋常じゃないぞ」
「だからだ。風魔の里には夢魔が残っているが」
「ああ」
 一同は夢魔の名を聞いてまずは安心した。
「あの男と総帥がおられればまず大丈夫だがしかしな」
「銀色の髪と目か」
「そんな奴等は聞いたこともないな」
 兜丸は腕を組んだうえで首を捻る。
「何者なんだ、一体」
「そこまでは俺もわからん。だが気になる」
「そうだな」
 劉鵬が霧風のその言葉に頷く。

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